愛のかたまり19 ページ19
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高校入学した日、一年生代表の挨拶で
栗原くんが体育館の舞台に立った時、
体中に電撃が走ったのを覚えてる。
…一目惚れだった。
偶然にも3年間同じクラスだったけれど、
これといった共通点もなくて、
それほど会話するようなこともなかったし
だからそこまで仲がいいってわけでもなくて。
ずっと密かに私が想い焦がれてただけ。
3年間、ずっと。
私の片想い。
でも、
卒業の時にせめて気持ちだけでも伝えようと
決心はしていた。
結局、親の仕事の都合で
急遽海外に引っ越すことになった栗原くんは、
卒業式の前日、教室でお別れの挨拶だけして、
卒業式も出ず、飛び立ってしまって。
成人式の日も帰国してくることはなく、
私の恋はそのまま閉ざされて幕を閉じた。
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あ「いつ戻ってきてたの?」
タツヤ「3年前くらい?」
高校時代の淡い恋心が、
栗原くんとの再会で当時の気持ちを
思い出させられる。
あ「そうなんだ。」
タツヤ「柳瀬は今なんの仕事してんの?」
栗原くんに対してまた恋心を抱くことはない。
あくまで学生時代の淡い青春の一部として
今はなってるから。
あ「フリーランスで
ヘアメイクの仕事してるよ。」
それに、私が今好きなのは紫耀ちゃんだ。
紫耀ちゃん以上の人を好きになることはないと
断言も出来る。
この異常に鼓動が速いのは、
きっと若かりし頃恋焦がれてた相手と
久しぶりに会ったから少し緊張してるだけ。
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作者名:rion | 作成日時:2018年12月6日 15時