愛のかたまり11 ページ11
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あ「はぁぁっ!?アイドル!?」
主演キャストはまさかのアイドル。
しかも男性。
それはそれで話が変わってくる。
小「そこをなんとかお願いします〜!!
もう頼れる人は柳瀬さんしか
いないんですよぉ〜…」
って言われてもなぁ…。
男性アイドルのヘアメイクは
特に気が進まない。
それは彼と付き合ってるからとかじゃなくて
昔からあまり接点を持ちたくないっていう
理由なだけであって。
過去に一度だけ担当したとかでもないし、
なんならまだ一度も担当したことはない。
小「お願いです…柳瀬さん!!」
可愛い後輩の必死な懇願。
出来ることなら聞いてあげたいけど…。
…ん〜困った。
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あ「分かった。
今スケジュール確認してみるから
ちょっと待って。」
1ヶ月先のスケジュール。
口では了承したけど、正直なところ気は進まない。
だからどうか別の仕事が入ってますように、と
必死で願った。
けれど、そんな私の願いも虚しく
あ「…うん。大丈夫。空いてる。」
偶然にも真っ白。
まっさらさら。
なんてこった。
こういう時に限って。
小「さっすが柳瀬さん…っ!!
ありがとうございます!!」
あ「あーうん。いいのいいの。
全然気にしないで。」
喜びの声を上げる小谷とは対照に
私の声はあからさまな棒読みになる。
小「じゃっ、日程や場所の詳細はまたすぐ
連絡いれますね!」
「失礼しますっ」と律儀に敬意の言葉を口にして、
通話が終了した。
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作者名:rion | 作成日時:2018年12月6日 15時