好きだった【S.S】 (ページ12)

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11.翔やん3 ページ12

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翔やんがうちでバイトを始めて数ヶ月…

遅くなる帰り道、送って貰いがてら

父がお付き合いで頂いた食事券で
チェーン店に行ったり、

可愛がられてる翔やんが社内で貰った
クオカードでファミレス行ったり、

割り勘で居酒屋さんに行ったり、

よく食事に行った。

なんでも美味しそうにもぐもぐ食べる
翔やんとの食事は楽しい。
会話も途切れないし、
逆に黙っていても苦痛じゃない…

起業の準備もあいまって
たまに行き詰まったりするけど
自分でも整理できないモヤモヤも
翔やんと話してると
「姉さんが言いたいのは、こういうことでしょ」
なんて、やけにスッキリ発想転換されたりして

翔やんの頭の回転の良さは、
仕事面だけじゃなくて
思いやりにもつながってて
彼と居ると困難も浄化されてる。

高3から一人暮らしして、学業も、バイトも、
恋愛も、遊びも、取捨選択繰り返して
今の彼が出来上がってる。

少し偏差値の高めの学校を
ほぼエスカレーター式にあがり
バレエしか知らない私は
どこかで翔やんをリスペクトしてた。

別に友達が居ないわけじゃないけど
翔やんと居るのが居心地が良い。

翔やんみたいな有望な相棒のおかげで
私を見る社員の目も変わってきた。
社長のお嬢さんではなく、
秘書の1人として扱われた。

父が体裁を整えるために、翔やんを甥っ子だと
紹介したおかげで、私達は、
社長の親族は優秀で麗しいと
一目おかれるようになった。
翔やんが、父の顔に泥を塗らないように
勉強してくれてたことも気づいてた私は
翔やんのすべてが、愛おしかった。

弟が居たらこんな感じ？
違うよね、
あんな天使だった小さい男の子が
今は成人したばかりの20歳、
この春大学3年生になった…

打ち合わせに同席して貰いたいこともあるからと
会社のお金でスーツを作りに行き
あつらえたスーツであらわれた翔やんは
王子様だった…

もう、あらがえない…
3つも歳下の翔やんにどっぷり堕ちた。