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法律的には貸主都合の退去だから、退去は半年とか1年先でもいいらしいんだけど、ここに居座って、大家さんの立場が悪くなってもなぁって思って、なるべく早く出て行くように部屋の片付けと、物件探しも始めた。

休みの日に、こんなところに来てる暇があるなら、不動産屋さん巡りをしなきゃならない。

私なりにおしゃれをして、同窓会まで来たのに、再会を喜んだり昔を懐かしんだりする友達なんていなくて、スマホで、物件情報を検索していた。



だから、知らなかった。

彼があの人ごみを抜けて、私のほうに向かって来てたなんて。




「A。久しぶり」

って昔みたいに話しかける声が聞こえて、目線をスマホの画面から上げた。


目の前にやってきた櫻井くんを今日初めて近くで見ると、高級そうなスーツを着て、左腕には高そうな腕時計をして・・・やっぱり、あの頃の、私が知ってる彼とは違うんだって・・・改めて実感した。

そんな気持ちを誤魔化すように

「あ、今をときめく櫻井社長じゃないですか!」

って呼べば、

「やめろよ、お前!」

って言って、照れ臭そうに笑った顔はあの頃のまま。

「いいの?みんな、今日は、櫻井社長に会いに来たんじゃないの?」

私と話す櫻井くんのことを遠巻きで見ている視線をたくさん感じてそう言うと、

「お前、誰だよ!ってやつが、すげぇグイグイくるし」

ってちょっとだけ面倒くさそうに言った。

「だけど、社長ともなると、挨拶されたら、ちゃんと挨拶しないとね」

社会人としての常識みたいな感じに言ったら

「・・・んなもん、必要ねえだろ!」

って、さっきまで周りにいて、櫻井くんに一生懸命、挨拶をしていた人たちにとってはひどい事をさらっと言いながら、爽やかな笑顔を見せた。





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作品ジャンル:恋愛
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JUMP©(プロフ) - はじめまして。今まで見た櫻井くんの小説の中で1番面白かったです!最高すぎです! (2018年3月20日 23時) (レス) id: 6d0fd0d2ee (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - もぉ「サイコー」の一言です>^_^<潤くんと斗真くんの素敵なアシストで…やっと一緒になれた二人(*^艸^*)仲間っていいな♪ (2017年10月29日 10時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
くま - 初めまして。最高でした!これからも読ませていただきます (2017年2月7日 18時) (レス) id: 580296d8bb (このIDを非表示/違反報告)
かな。(プロフ) - あたしも たまらんです(ToT) ココロあたたまるぅー(ToT) これから他のおはなしも読ませていただきますm(__)m (2017年1月31日 0時) (レス) id: a6a05aa3cf (このIDを非表示/違反報告)
ayan(プロフ) - 完結おめでとうございます(*´艸`*)たまらんです! (2017年1月29日 23時) (レス) id: e9b28d9f07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でいじぃ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月23日 19時

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