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「・・・なら、俺に教えてよ?」
「え?」
「Aがどんだけ面倒くさいか」
「え?」
「たぶん、だけど、俺、Aのこと、面倒くさいって思わないと思う」
その自信は、どこから来るんだろう??
そう思って・・・今までの私に対する櫻井くんの態度を思い返してみた。
「・・・まぁ、私が、どんなに面倒くさいこと言っても、これだけ思ってることガンガン言えれば、櫻井くんは、すっきりするでしょうね」
思ったことを全然言えない私にとって、そんなに思ってることを言える櫻井くんは、羨ましい。
そんな私の言葉に、なぜか、櫻井くんは嬉しそうに笑った。
「でも、それって大事じゃね?」
「・・・」
「それこそ、斗真や潤といる時と同じ感じでいられる女は、Aしかいなかった」
「・・・」
「かっこよく見せなきゃとか、そんなこと全然考えないでいられるって、すげぇって思うんだよね」
「・・・それでかっこいいからムカツクよね」
私の一言に、櫻井くんが
「Aにかっこいいとか、初めて言われたわ」
って照れ笑いをしながら言った。
「そう・・・だっけ?」
「斗真や潤のことを、かっこいいって言ってるのは聞いたことあるけど」
「・・・言えないよ」
「・・・言えよ。っていうか、なんで言えないわけ?」
だって、私は、櫻井くんへの想いを隠し通すって決めたから。
「櫻井くんのこと、かっこいいとか、好きだって、絶対言わないって決めたから」
「はぁ!?!?」
「だって!私がどんなに櫻井くんのこと好きでも、私は女として見られてないんだよ??」
「A?」
「・・・何?」
「俺、好きだよ・・・Aのこと」
耳元で、そう呟いた櫻井くんの声色は初めて聞く優しい声色。
私を見つめるその瞳は、他の女の子には見せていた優しい瞳。
初めて私に見せてくれたその瞳には・・・今、私しか映っていない。
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JUMP©(プロフ) - はじめまして。今まで見た櫻井くんの小説の中で1番面白かったです!最高すぎです! (2018年3月20日 23時) (レス) id: 6d0fd0d2ee (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - もぉ「サイコー」の一言です>^_^<潤くんと斗真くんの素敵なアシストで…やっと一緒になれた二人(*^艸^*)仲間っていいな♪ (2017年10月29日 10時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
くま - 初めまして。最高でした!これからも読ませていただきます (2017年2月7日 18時) (レス) id: 580296d8bb (このIDを非表示/違反報告)
かな。(プロフ) - あたしも たまらんです(ToT) ココロあたたまるぅー(ToT) これから他のおはなしも読ませていただきますm(__)m (2017年1月31日 0時) (レス) id: a6a05aa3cf (このIDを非表示/違反報告)
ayan(プロフ) - 完結おめでとうございます(*´艸`*)たまらんです! (2017年1月29日 23時) (レス) id: e9b28d9f07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でいじぃ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月23日 19時