恋愛対象外【0125BD】

14.　←1/25 ページ14

４年の時は、生田くんも松本くんも、学校もゼミとあと数単位だけになっていたし、３年の終わりから始まった就職活動もあって忙しかったはず。


なのに、誕生日だ！内定祝だ！卒業前祝だ！就職祝いだ！なんて称した飲み会のメールが定期的に届いて、みんなで集まる頻度は、それまでと変わらなかった。


櫻井くんと２人きりだと、楽しいけど、やっぱり、恋愛対象外なんだって現実に辛くなることもあった。

だけど、生田くんと松本くんが一緒だと、櫻井くんとも、素直に友達として一緒にいられた。




卒業式の日。

「袴姿、かわいいじゃん！」

って松本くんが褒めてくれて、袴姿の私とスーツ姿の櫻井くん、生田くん、松本くんと４人で写真を撮った。




これが、最後だって思ってた。


卒業したら、みんな別々の会社だし、きっと忙しくなる。

それに、きっと、彼らは集まったとしても、私は呼ばれなくなるって思ってた。





だけど、６月の終わり。

松本くん発信で、

「みんな別々の会社に就職したんだし、近況報告会やらない？」

って一斉メールが届いた。


呼ばれなくなるものだと思っていたのに、メールが届いて、それがうれしくて、すぐに、行く！って返事をしたっけ。



卒業してから初めて櫻井くんに会ったのは、スーツが暑いって感じた７月だった。



数か月ぶりに会っても、


「A！スーツ着て、社会人みたいだな！」

「それは、みんなだってそうでしょ！」

なんて・・・やっぱり、櫻井くんの私への態度は今までと全然変わらなくて、友達だから当たり前なのに、櫻井くんへの想いは封印したはずなのに、心にチクッと棘が刺さった。




それからも、２〜３か月に１度、近況報告会の連絡が来た。


仕事が忙しいから、なんて理由を付けて断ると、

「みんな忙しいのに、A以外はみんな来たぞ！次は絶対来い！」

なんて櫻井くんからメールやLINEが届いて、また参加して・・・って繰り返してた。




.

15.→←13.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す