太陽も月も。 ［玲於×龍友 ］

プツン ページ44

Aside



いけないいけない。
玲於って単語聞いて急に大きい声出しちゃった。


さっき楽屋に行った時は、そんなこと全然感じさせなかったのにな。
…やっぱり、玲於も玲於なりに気にしてくれてるのかな。
昔から不器用なりに、でも、しっかり思いが伝わってくるの、そうゆう所すごいって思ってるし
これ、わたしは玲於のかける魔法だって思ってる。



龍友くんに、家まで送るって言われたけど
そこは丁重にお断りして、タクシーで颯爽と帰った。
わたし今完全に避けてる、今自覚した。

なんだろ、早く帰ってほっとしたい。



玲於｢あ、やっと帰ってきた、。ったくまたどこほっつき歩いてたの｣


『佳帆子とご飯いってた〜！』


…まぁそれ５時間くらい前の話だけど。


『あ、Mステみたよ！よかった！』


玲於｢隼が振り間違えた｣


『うそ、全然気がつかなかった！』


あいつほんとさ〜ってぶつぶつ言ってる、許してあげてよ(笑)
よかった、なんかもうお互い元通りだ。


玲於｢ねぇ、明日どうする、俺七時くらいまで仕事だけど｣


『ふぅん、結構早いじゃん、おうちで待ってるね』


玲於｢ん。｣


毎年恒例だからこんなこと今までは口にしてなかったのに
今年は、ちゃんとどうする？って聞いてくれたのが
なんか嬉しかった。


玲於との会話は他の誰よりも楽で、安心して、心が踊って。
…これって家族だから？
普通の人が家族に抱く思いと同じ意味、だよね？



玲於｢ねぇ、そういえば見てよ｣


『なぁに？』


玲於｢週刊誌に撮られてやんの、龍友くん、これ、事務所の奴なのにさ、(笑)｣


そういってまだ発売前の週刊誌、見ながら笑ってて
え…
わたしの中で、いま何かがプツンと切れた


玲於｢でも龍友くんのことだから、中身どうこうより週刊誌に載ること喜んでそうだわ(笑)｣


『わたし、部屋戻るね』


ダメだ、平静を装えない

涙が出そうになるのを必死に我慢して
自分の部屋に逃げこんだ


わかってるよ、あの人とは何ともないって
わかってるよ、考え方が子供っぽいことも。
でもなんでわたしと会わずにあの人とは会えるの？
もうわかんないよ。



はぁ、つかれた。


玲於とわたしが本当の兄弟じゃないなんて知ったら
龍友くんなんて言うだろう
言えないよ、怖い


ベッドにダイブしたら急に眠気が襲ってきて。

胸元の2つのネックレスは、
チャリン、ぶつかりあって音をたてた

新作のお知らせ→←手離したくない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す