太陽も月も。 ［玲於×龍友 ］

もう逃げない ページ38

玲於side



有加｢このサラダ、すごく美味しくないですか？｣


玲於｢うん、そうだね。｣


有加｢なんか、佐野さん今日元気ない？｣


玲於｢そんなことないって。｣


有加｢それならいいんですけど。あ、片寄さんたち年明けハワイ行くって聞きました？いいな〜、羨ましい。わたしも行きたいなぁ｣



有加ちゃんが少なからず俺に好意を寄せてくれてるっていうのはわかってて
けど、こうゆうのは今日で最後にしようって思ってて。


隼からはモテモテでいーな〜とか言われたけど
誰から何言われたところで
正直ぜんぜん嬉しいとか思わなくて。


やっぱり、俺にはAしかいないって改めて思ったから。



次からは、誘われても来るのはやめよう
それがきっと、どっちものためにもなる。

ご飯も食べ終わって
２軒目も行く流れになりかけたけど
わ、やっべ充電きれそうだわ事務所寄って帰るね
って言ったら
わたしも行くって
充電切れそうなのは事実だったし
まぁいいかって、2人事務所までの道を歩き始めた



玲於｢さみ〜体冷えない？｣


有加｢体にホッカイロたくさん貼ってるんで大丈夫です！｣


玲於｢なにそれそんなことしてんの。笑｣


有加｢…あの、佐野さん｣


玲於｢ん？｣


ちょうど事務所の裏口に入る10メートルくらい手前でのことだった


有加｢わたし、佐野さんのことがすきです｣


玲於｢え……｣



有加｢ダメ元ってわかってます。でもずっとずっと好きでした。せめて聞いて欲しくて……あ、………｣


玲｢え？…｣



あ…………


玲於｢A…｣



なんでこうなるかな。


『…あ、ごめんね？なんか邪魔しちゃった、よね、うん』



事務所から出てきたA
すごい早足で俺たちをよこぎっていくから



玲於｢ちょっとまってよA｣



『先家帰ってるねー』


ちょっと、まじでやめて、
なにかんがえてんの、A



玲於｢有加ちゃんごめん。俺ずっと好きなやついて。…今までは逃げてばっかだったけど、もう逃げねえって決めたから。今まで中途半端なことして、ごめん。｣


有加｢そう、ですか…｣


玲於｢俺、行かなきゃ。｣


有加｢あっあのっ、…佐野さんが好きな人って、その、…Aさん、ですか…？｣


玲於｢うん。…そういうことだから、じゃ。｣



俺は、隠さない、Aを好きって気持ち

俺は、もう逃げない、Aからも自分からも

この、運命からも。

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