太陽も月も。 ［玲於×龍友 ］

ズルい ページ17

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お部屋に露天風呂ついてるからって聞いてたけど
…正直ちょっと舐めてたかもしれない


『…わぁぁ、すっごーい…』


家のお風呂もまぁまぁ大きいほうだとは思うんだけど
ここのは軽く2倍以上はある。
檜のいい香りがして、
少し肌寒いんだけどそれがまたいい。


『お月さまきれい…』


ほんと、幸せすぎる1日だったな、
大好きな人と思いが繋がるって
こんなにも幸せなことなんだ


幸せすぎて、もうすぐ悪いことが起こりそうだよ…
いや、やめたやめた、縁起でもない。


それにしても長かったなぁ、わたしの片思い
1年とちょっと、ほんと、よく実ってくれました。(笑)


物思いにふけてたらなんだかクラクラしてきて
わ、いけない、待たせてるんだった、早く出なきゃ


いつもなら、扉の外から
ね〜？まだ〜？まじ長ぇんだけど！そろそろ死んじゃうよ？え？いいの？俺知らないよ？
って、
うるさい催促の声が聞こえてくるから。
だからいっつもあれだけ先に入っといてねって言うのに
もう先に入ったもんだと思ってゆっくりしてたらこれだもんね(笑)


ふふふっ。そんなことを思い出しながら
お風呂から出て旅館の浴衣借りて
月のネックレス、つけ直して。


…そうだ、この扉の奥には龍友くんがいるんだった
はぁ、緊張しちゃうな。
わたしはまだまだ当分慣れそうもないよ。



お先にありがとう、次どうぞって
龍友くんにお風呂に行ってもらったんだけど…



『…なにこれ(笑)』



さっきまで少し間を空けて引いてあったお布団が…
…うん、綺麗にくっついてる。
どうしよう、これ龍友くんがくっつけたんだよね？

どうしてこんなにもやることがかわいいんだろう(笑)
恥ずかしいより可愛いの方が勝っちゃう、
ああ、早く出てこないかな。


ピコンッ

【既読無視したから明後日の晩飯係もお前ね】
【佳帆子ちゃんによろしく言っといたから。迷惑かけんなよ】


うわ、やっば、玲於にLINE返すの忘れてた
ちょ、ちょちょちょ、まって、佳帆子に会ったの？！

さっき咄嗟についた、佳帆子の家に泊まるから、の嘘。
口裏は合わせてくれたようだけど…
どうしよう、これぜったい明日佳帆子からの事情聴取だよ。


龍友「どうしたん？(笑)そんな難しい顔して」



『あ、龍友くん！……っ…！』



旅館に置いてある浴衣セットのパワーって
なんでこんなにもすごいんだろう
まだ体からほんのり湯気が出てて、
…ほんと、カッコよすぎだよ…狙ってるの？
はぁ、ズルいなぁ。

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