好きって言ってよ１［佐野玲於］完結

ビール ページ4

玲於Side

次の日、トレーニングしてから帰ってくると

隣の部屋の電気はまだついてなかった



あれから大丈夫だったかな〜、
朝起きれたのかな〜とか、
ちょっと、
本当にほんのちょっとだけ

心配してやったのに。


風呂はいって、酒あったかなーって
冷蔵庫覗いて

気持ちい夜風にでもあたるかーっていつものように
ベランダに出る。至福のひと時。




『はぁ〜〜〜つかれたあ〜〜〜』


なになに、うけんだけど(笑)

［おつかれ(笑)］


『わ！れおくんいたの！はずかし！！！』


なんて一人であたふたあたふたしてる、(笑)


［きょう、ちゃんと起きれたの？遅刻しなかった？］


『えへ、大丈夫だったよ、もう明日からもワクワクだよ。ドキドキの方が大きいけど。』


えへ、ってなんだ(笑)
じゃなくて、そっかそっか。それはよかった。
じゃあひとまず安心だ。



［じゃあ、お祝いに１本やろうか？］


そしたらこいつ案の定顔をかがやかせて


『え！いいの！嬉しい〜〜！』


なんてほんとに嬉しそうな表情、
あれ俺この顔見たかったからこんなこと言った？


．．．いやいやいや、今日もまた血迷ってる


冷蔵庫から１本ビールとりにいって

はいっ、て渡して

乾杯して

満員電車に初めて乗ってね〜〜
とか

高いビルがたくさんあってどれが会社かわかんなくてね〜〜
とか

帰り乗り過ごしちゃったんだけどすぐに電車来たからトータルあんまりロスしなくてね〜〜
とか


ほんとこいつよく喋んの。(笑)
しかも田舎者発言ばっかり(笑)


［おまえやっぱばかなの？(笑)ほんと田舎者．．．田舎娘。これじゃあ明日からも心配だわ．．．］


『ばかじゃないですう〜〜〜田舎者だけど。えへ、でも玲於くんが心配してくれるなら大丈夫だよ〜！』


って根拠の無いこいつ的解決。
田舎者は認めるんかい。


たわいもない話しかしなかったけど
かれこれ話し込んでたら12時前で、


じゃあまた明日ね！おやすみ！って
はいっていったAちゃん


…いやあしたも会う気なのかよ、

なんかもうほんと平和だわ(笑)



悪意が見えないし計算してるとも思えない、
久しぶりにあんな純粋な人に出会ったきがする。
あいつの前だと俺も飾らなくてすむし、
色々と気が楽。

毎晩帰って風呂はいって寝るだけだった家に


明日からはちょっとだけ、
ほんのちょっとだけ早く帰ってこようか、

なんてそんなこと考えてた。


次の日、ベランダ以外の場所で出会うことに
なるなんて知らずに。

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