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いつものように何気なく毎日を過ごして
特に今までと変わりなく
無難な毎日を過ごしていた。
教室で世間話を繰り返していたら
時間ギリギリになって
次が移動教室だということを思い出し
友人と共に駆け出す。
『A早く！』
「ちょっと待って！」
『もう、先行くよ！？』
急いで後を追いかけようとすると
後ろから走ってきた男子生徒の
勢いに任されて足元がふらつき
手に抱えていた筆箱が
音を立てて廊下に落ちる。
「あ、」
焦りながら転がっていった筆箱に
手を伸ばそうとすると
誰かにそれを阻まれた。
紫「大丈夫？」
「……平野先輩」
紫「はい、これ」
お礼を言おうとすると
高く透き通った声に
遮られてしまう。
廉「おい、お前何やって……、」
紫「あ、廉じゃん」
廉「……こんちわ」
はい、と渡されてゆっくり受け取ると
後ろから先輩の名前を呼ぶ声が
聞こえてきた。
紫「呼ばれてるからもう行くね」
「あの、ありがとうございました」
紫「いいえ。またね、Aちゃん」
しばらくその後ろ姿を見つめる。
「あ、やば！時間！」
でもすぐに我に返って
急いでその場を去ろうとすると
あろうことか廉が私の手を掴み
動こうとしない。
「廉、遅れるよ？早く行こ？」
廉「……お前、いつから知り合い？」
「え？何が？」
廉「……」
何が気に入らないのか
明らかに嫌そうな顔をする廉。
廉「いや、やっぱいいや」
真っ黒な髪を靡かせて
私の目を見ることなく背を向けるから
私は急いで廉の後を追う。
「廉、待ってよ」
肩を掴み正面を向くと
不安の色が見え隠れする。
廉「お願いやからさ、平野先輩だけはやめて」
長い廊下に響いた小さく頼りない声。
返事に困って黙り込んでいると
大きなチャイムの音が鳴り響いてくる。
「やっば…ほら。廉急ぐよ！」
授業の始まりを知らせるチャイムにより
無理矢理不服そうな廉を引っ張り、
私はなんとかその場をしのいだ。
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みう(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます^^今までの作品も読んでくださりとても嬉しいです、そして温かいお言葉の数々も嬉しい限りです(；；)これからも是非お付き合い頂けると幸いです。今作もご愛読ありがとうございました！ (2020年10月23日 23時) (
レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 完結おめでとうございます！みうさんの作品読んでます、いつも切ない感じで恋愛ってそんなに上手くはいかないもの、人の気持ちってそんなに簡単にいかないものって現実を見せられてる気がします。いつも素敵なお話ありがとうございます！また新作も楽しみにしてます！ (2020年10月23日 22時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2020年9月16日 17時
