水縹色

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8月、Aが転入してきて3ヶ月が経った。


高校生になって2回目の夏、特にAとも樹とも連絡は取っていない。

せっかくの夏休みなんだから誰かとどっか出かけたら？ なんて母親は毎日言うがその度にふわっと流している。


もちろん好きな人の連絡先を知っていて、暇で、そして今は夏。樹くらいのコミュニケーション能力があればAを海に誘ったり出来るだろう。





初めて3人で昼食を食べた日の事を思い出した。

「なんで樹くんと北斗くんはタイプが違うのに仲がいいの？いくら幼馴染でも合わなかったら仲良くしないよね」

毎年クラスで中心的な人物になる樹と毎年クラスの隅の方で本を読んでいる俺、実際俺も樹が何故俺と仲良くしてくれるのか不思議に思うことは多い。


でも『なんで俺といてくれるの？』なんてメンヘラみたいな事を言うのは性に合わない。
だからずっと目を逸らしてきた事なのにAはさらっと樹に聞いてのけたのだ。




それに対して樹も何も迷う事なく「俺らこう見えて気が合うんだよ」なんて言ったっけ。






　

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