第6話 ページ6
｢｢｢ただいま−！｣｣｣
ついに…さぶたちが帰ってきた…
一郎 ｢じろくん。下…行こっか…立てる？｣
いちくんは俺の背中を支えながらゆっくりと立ちあがるのを支えてくれた。
いちくんに支えてもらいながら俺は一階へ降りた。
三郎 ｢じろちゃん！？どうしたの！！？｣
四郎 ｢じろにぃ…お熱？｣
五郎 ｢じろに…大丈夫？｣
いちくんに支えてもらってる俺を見たさぶたちは心配して俺たちのほうに駆け寄ってきた。
俺は話すことが出来ないから心配しなくてもいいよと口パクで微笑みながら返した。
三郎 ｢じろちゃん…？…しゃべれないの…？｣
俺が話せないことに気づいたさぶは泣きそうな顔をして俺のほうを見たが、今書くものもないし、いちくんに支えてもらっているからさぶたちにしゃべれない理由などを説明できない。
しかも、今はとても疲れていて立つのだけでも今は精一杯ですごくしんどい。
一郎 ｢さぶ、しろ、ごろ。話があるからソファ座って。ひとつのソファはじろくんを寝かすから空けといて。｣
俺がしんどそうにしてるのがわかったのか、いちくんはさぶたちに言った後、俺をソファに寝かせて毛布を俺にかけてくれた。
さぶたちは心配してる顔をしながら静かにソファに座った。
一郎 「三人とも落ち着いてよく聞いてね。これはとても大事な話だから。…」
いちくんは俺の隣に座って、父さんが死んでしまったこと、俺が声が出ないこと、二人で相談して決めたこと、これからどう生活していくか、父さんは３日後に戻ってくるからそれまでにお葬式の準備をすること…全部話した。
三郎 「え…嘘…でしょ？？いっちゃん…これ…嘘だよね？？じろちゃんも本当は元気なんでしょ？？声…でるんでしょ…？エイプリルフールは終わってるよ……ねえ！！嘘なんでしょ！！？」
話を聞き終えたら、三郎は目から大粒の涙を流して大声で叫んだ。しろとごろは泣いているのをこらえているのか泣いているのか分からないけどずっと下を向いていた。
俺はソファから起き、立ち上がってさぶたちを抱きしめて、三人の背中をさすった。
今の俺には…こんなことしかできないけどさ…
俺が抱きしめると三人は大声で泣いた。さぶは時々あるけど、しろとごろがこんな大声で泣いてるところは久々に見たなあ…
三人をさすってたらいちくんが俺ごと抱きしめてきた。
そうして俺たちは何時間も三人が落ち着くまでこの状態でいたんだ…
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作者名：弥翔 | 作成日時：2014年12月17日 0時
