嬉しさが溢れる ページ30
今日は翔が帰ってくる日。
今回は事前に翔が帰ってくることが分かっていたから、智さんにお願いして店番を早く切りあげて翔を待っていた。
オムライスの下準備を終えて、手持無沙汰になったから、アクセサリーを作ったり、スマホをいじったりして気を紛らわせるけれど、どれも意味がなくて最終的に読書に辿り着いた。
十数ページほど読み進めていると、ガチャと鍵を開ける音が聞こえる。
急いで玄関に行く私。
まるで、尻尾を振ってご主人様を待つ犬みたい(笑)
扉が開いて、ようやく翔に会えると思うと嬉しすぎて、
「翔、おかえり！」
って、言おうと思って"翔"と言いかけたその時。
思いきり抱きしめられた。
きつく、きつく。
私と翔の間に隙間がないのではないかと思うほど、ギュッと強く抱きしめられた。
「翔？」
"どうした？"って、聞こうと思ったらまた翔が遮った。
翔「俺、Aが好き。」
私の耳から聞こえてきたのは、翔の低い声。
でもどこか、切なそうで私にすがるような声だった。
翔のこんな声を聞いたのは、いつぶりだろうかって思うほどだった。
翔「俺の前から、いなくならないで。」
そう言うと、またぎゅっと私を抱きしめ直す。
強く、きつく。
まるで"俺のものだ"って言われているような錯覚に陥りそうだ。
「いなくならないよ、ずっと傍にいるよ。」
そう言えば、少し力を緩めてか細い声で、
翔「それは俺が許婚だから？」
って、聞いてきた。
「違うよ、私が翔の傍にいたいんだよ。」
翔が腕を緩めて、私の顔を見る。
翔は、瞳をゆらゆらと揺らしたまま、不安げな目だ。
やっと言える。
翔に本当の気持ちを言えるね。
意気地なしで、臆病な私だから、翔がこうして素直に気持ちを言ってくれるまで私は言えなかったけれど、ようやく堂々と言えると思うと嬉しい。
「翔のことが好きだよ、ずっと...大好きだよ。」
そう言ったら、重なる唇。
でもそれは一瞬で、唇が離れて翔の顔が離れていくときに目があった。
翔「やべぇ...幸せだ、俺。」
そう言って、翔は目がなくなるほど笑っていた。
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あーとlove - 初めましてですね！コメントありがとうございます。次回は、翔の本音が聞けると思いますのでどうぞお楽しみに！ (2016年7月19日 1時) (
レス) id: e78417d479 (このIDを非表示/違反報告)
櫻葉みるくてぃ(プロフ) - はじめましてかな？このお話はきっとはじめまして！続きがきになりすぎます！いい話を作りますね！！ほんとに！！！！月9とかより断然面白い！！これからも期待してます。次の更新待ってます！！！ (2016年7月18日 23時) (レス) id: 82f220b590 (このIDを非表示/違反報告)
あーとlove - ひひひさん» 初めまして！コメントありがとうございます。otagaiga鈍感で、自分のことなんて思ってないだろうと思っているからこそ、こんなドタバタが成り立つんですよね（笑） (2016年7月18日 22時) (レス) id: e78417d479 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひ(プロフ) - はじめまして！いつもひっそり見てましたが、どーしても書きたくなったので書きます！いつも、主人公ちゃんの気も知らないで好き勝手やってる翔さんに私も主人公ちゃんと一緒に振り回されてドキドキしてます。笑更新がんばって下さい！ (2016年7月18日 17時) (レス) id: 166d5a1a30 (このIDを非表示/違反報告)
あーとlove - ゆゆ。さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2016年7月7日 2時) (レス) id: e78417d479 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーとlove | 作成日時：2016年6月18日 5時
