38/O 自分勝手 ページ38
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翔くんを後ろから抱きしめ
窓の方を向いて座った。
ゆっくりゆっくり髪を撫でて翔くんが落ち着くのを待っていると、
翔くんはゆっくり話し出した。
「あのね…ボクに…昔のボクに…
好きな人がいたみたいなの…。
その人のこと…ボクは…昔のボクは…いつも"あなた"とか"大好きなあなた"って言ってるの。
海にいるときもずっと…ずっとその人をずっと…探しててね…。
でもボクは…ずっと…幸せなの…。
どこなのって探してるの…。
ボクの名前にね…"さくら"が入ってるって言ったのも…その"あなた"でね…。
おいでって…手を伸ばしてきたのも…"あなた"でね…。
ボクはね…昔のボクはね…
"あなた"って人が…とっても好きなの…。」
ポツリポツリと紡いだ言葉がたくさん積み重なって
ひとつの翔くんを作っていく。
俺と翔くんを作っていく。
怖くなった。
もうキミは、
すぐそこに来ている。
俺を恨むだろう、憎むだろう、
すぐそこに来ている。
キミから、キミが、
俺を嫌いになって欲しくなかった。
どうせ嫌いになるなら、恨むなら、
俺自身から言ったことで嫌いになって欲しかった。
ごめん、翔くん。
最後まで自分勝手で。
「…智くん…泣いてる…」
と翔くんが振り向いて俺に手を伸ばす。
「翔くん…ごめん…」
俺はやっとの思いでそう言った。
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徳夜実南(プロフ) - もの凄く面白かったです!!!! 言葉では表せないくらい素敵なお話でした！！！ (2013年7月8日 7時) (
レス) id: dde8742611 (このIDを非表示/違反報告)
メリ子(プロフ) - シフォンさん» ありがとうございます（＾ω＾）新しいのも書いているのでそっちもどうぞー (2013年3月18日 18時) (レス) id: 70f5b5828c (このIDを非表示/違反報告)
シフォン(プロフ) - とても面白かったです！完結なんてさみしい(T_T) (2013年3月18日 17時) (レス) id: d81cefd942 (このIDを非表示/違反報告)
メリ子(プロフ) - sayaさん» ありがとうございまーす(^O^)／ちょっと智くんが暴走気味ですけど、どうか温かい目で見てください… (2013年3月17日 0時) (レス) id: 6018098abb (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして＾＾ はじめて見ましたが なんか引き込まれる話ですね〜。。。これからも楽しみに読ませてくださいね＾＾ (2013年3月16日 23時) (レス) id: 48d49f8412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メリ子
| 作成日時：2013年2月25日 14時
