【フジ】ダウナー人魚姫とその兎系彼氏【実況者】

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フジside

「……もしもし。母さんから連絡くるなんて、何ヵ月ぶりだろうね」

嫌味ったらしく言うが、電話越しの母はなんとも思っていない様子で最近どう？と元気に聞いてきた。
別に、と素っ気なく答えると反抗期ってやつー？と電話越しで爆笑している。…雑音がひどい。どうやら人がいっぱいいるところで電話しているようだ。早く終わらせて、Aのとこに行かなきゃいけないのに。

「…昨日Aちゃんのお母さんから電話があったのよ。最近どうですかって。」

「…あっ」

……同棲のことは隠していた。
だからずっと母さんは俺とAの家族が一緒に暮らしていると思っている…と思う。まさかバレた！？

「…18の男女が一つ屋根の下ねぇ……フジ」

バレてるー。ここまで携帯を放り投げたいと思ったのは生まれてはじめてだ。厳しい声色で名前を突然呼ばれ、はいっ！と敬語で返事してしまう。

「……Aちゃんに変なこと…してないだろうね？」

「変なこと？変なことって何かな(すっとぼけ)」

真面目な声色できたので真面目な声色で返してやると、ぐっ、と息が詰まったようだ。…電話越しに滑らかな英語が聞こえてくる。…聞こえた会話からして、カフェかな？

「Aちゃんに手出したら許さないからね」

「手出す？手出すって何かな」

俺がそう言うと呆れたように笑い、はぁー…と低く息を吐いたかと思えば…カチャンと食器の擦れる音がした。あー、レストランか。何か食ってるな。

「…18にもなったなら、一人暮らししなさい。私は貴方がまだ16だったから預けたのに…普通に一人で暮らせるでしょう？」

ずきん、心が痛む。
……駄目だ、この話を長引かせたら駄目。Aと離れたら、欲求不満になって最後死ぬ自信があった。

「あ！ごめん、急用思い出したから切るね！」

「え？ちょー…」

ぷつっ。糸が切れるような音と一緒に通話終了、の文字が出た。早くAのところに行ってやらなきゃ。

ー…俺の可愛い人魚姫様のところに。

***
今調べたんですがダウナーって暗いみたいな意味と英語で精神安定剤って意味があるらしいですね。びっくり。

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