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「ふざっっけんなよ!」
『ちょ…っ!?』
露出していた腕に鋭い痛み。……カッターで切りつけられた?傷害事件だよ、これ。訴えられたらとか考えられないのかな。このメンヘラ。
部活はなく、家で勉強でもしようと思った矢先…あいつから呼び出しをくらい、胃を抑えながら公園にきたんだけど。
………なんかすごく怒ってらっしゃる。
「私がフジくんを好きなの、知ってたくせに!」
『へ…フ……ジ?』
まさか、昨日のを見てたのかな…?
ああぁあ、面倒なことになった。どう誤魔化そうか。
『……え、えっと。アレは違うよ。フジ…さんが落としたノート持ってきてくれただけで』
「うるっせぇよ!ぁあ!フジくん可哀想だなーぁ!」
そいつは怒りに震える手先でスマートフォンを操作している。何?フジになにかする気?
このメンヘラのことだ。何をしでかすか分からない。
「あーあぁ!フジくん可哀想!貴女のせいでこれからひどい目にあうんだからねーえ!」
『…なにをする気か知らないけど。フジさんは関係ないから』
「学校に、行けなくしてあげるから。フジくんもちょっととばっちり浴びるかも。まぁ、いいよねぇ!」
スマホをポケットにしまうと、彼女は私を蹴り飛ばし、走って行ってしまった。
……私を…学校に、行けなく。お仲間の多い彼女のことだ。月曜から本格的ないじめでもはじまるんだろう。
胃……が…痛いな。
蹴られたところを見ると…うわぁ、青くなっている。しかも頬に…目立つよね。腕も切られてるし…うぅ、痛。フジ、怒るかな。
重い体を引きずって、私は家に帰ることにした。
***
「おかえりーA!?ちょっと、ソレ…!」
家に帰ると案の定抱き付きにきたフジが悲鳴をあげた。
急いで家の中につれていかれる。
「ねぇ!?どこ行ってたの!?…涙の跡もあるし…いじめだよね!?正直に言ってよお願いだからさ!」
……フジ…私よりも焦ってる。
さて、なんて言い訳するかな…。あぁ、明日になってほしくないなぁ。学校にいけなくしてあげる。その言葉の信憑性はこの傷が物語っている。頭のおかしいあいつなら何をするか分からない。
「ねぇ…俺、さ。そんな頼りないかな」
そんなことないよ。
そう唇を動かしたはずだった。
……え!?声が、出ない!?
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つぴるん(プロフ) - たけのこご飯さん» 本当ですよ!!嘘いって何になるんですか笑 はい^^楽しみにしてます!! (2015年12月30日 22時) (レス) id: cdd108947c (このIDを非表示/違反報告)
たけのこご飯(プロフ) - つぴるんさん» 本当ですか!?ありがとうございます!更新、頑張ります! (2015年12月30日 17時) (レス) id: e46a6089ba (このIDを非表示/違反報告)
つぴるん(プロフ) - 初めまして!凄く面白いですね^^ 更新頑張ってください!! (2015年12月30日 1時) (レス) id: cdd108947c (このIDを非表示/違反報告)
たけのこご飯(プロフ) - yuyuさん» ありがとうございます!頑張ります! (2015年12月25日 14時) (レス) id: e46a6089ba (このIDを非表示/違反報告)
yuyu - このしょうせつ大好きです 更新楽しみにしてまーす^^ (2015年12月25日 14時) (レス) id: b6f9405879 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たけのこご飯
作成日時:2015年12月24日 18時