【フジ】ダウナー人魚姫とその兎系彼氏【実況者】

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『…は…ぁ』

せっかくお風呂入ったのに汚れちゃったな…。
あいつは私に黄色の絵の具をかけてきやがった。みんながいない所で。少量でそんなでっかいピカチュウまでとはいかないけれど、目立つ所にかけられた。

本当嫌だ。だから嫌なんだ…しかし今日はちょっと酷かったな。いつもは足踏んでくるだけとかなのに。

[Aってさー、何考えてるか分からないよねぇ]

いつからだろう。自分の意見を言わなくなったのは。声をあげなきゃ助けてもらえないのは知ってるけど、人に迷惑をかけたくないし面倒。
結局私は意気地無しなだけなのだ。泡になって消えてしまえ。

「A、どうだった？大丈夫だった？って、どしたのその絵の具。」

『ちょ…！なんで家から出てきてんの！？人に見られたら私死ぬから！同棲してたとかクラスの男子とかに見られたら』

「そんなこといいんだよ！っ、ねぇ。もしかしてさ…A、いじめられてなんか…ないよね？」

いじめ…。いじめられては、ないかな。大人数じゃないし。そこまで酷くない。

「…続きは家で聞くからね。」

手を引っ張られ、家の中に連れていかれる。微かにシャンプーの香りがする彼の柔らかい髪の毛が私の頬をくすぐるたび、少しだけ元気になった。

「…は？」

だけど。
そんな私達を見てる人がいた。
それはクラスの男子よりもタチの悪い、私のことが嫌いなー。

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