【フジ】ダウナー人魚姫とその兎系彼氏【実況者】

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「誤魔化さなくてもいいのよ。生徒の恋愛事情がわかっていなくて何が先生ですか。…Aさん、起きてるなら来なさい」

やべぇこの先生怖。
ちょっとだけ迷った末、上履きをはいてベットから出ていく。…フジの顔が見れない。だって、私のせいでひどい目にあっていて、どんな顔すればいいの？

「…顔、上げて」

『……で、も』

「こっち見て」

『………』

おとなしく視線を上げると、柔らかく笑うフジの姿があった。
上半身裸の。

『…………馬鹿？』

「違うよー、ジャージに着替えてただけだしー」

口を尖らせて、服を着ていくフジ。

「……Aさん、彼氏の上半身裸を見てもキャッとかなんとも言わないところから見て……まさか、もう」

「先生、妄想が荒んでます」

ジーッ、とジャージのチャックを上げ、フジが軽く笑った。
………あぁ、怪我ってこれか。頬に青痣が出来ている。床に散らばる制服には、きっかり茶色の靴跡が残っていた。
……いたそう。

「センセー、心因性失声症ってあんじゃん？」

「あぁ、天皇陛下がかかられた病気ね。」

「どうやったら治る？」

「……ふとしたきっかけで治るとか、まぁ原因から距離を置くことが大切ね。距離を置けないのだったら、原因を解消するしかないわ。……Aさん、具合は？」

色々痛い。ぶっちゃけ今すぐ帰りたかった。

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