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「……よ…様子見…？」
「あぁ。……児童相談所の人が昨日キヨの家に行ったそうなんだが、それで緊急性はないと判断されたみたいだ。」
「う、うっしー先生、でもさ。キヨくんの痣を相談所の人は見たんじゃないんか？」
「見たって。…でも痣は自分のせいだと言ったらしい」
「な、なんでやっ……」
「……キヨは去年雪見がいなくなったのは妹に甘えきっていた自分のせいだとずっと後悔していた。だから誰の助けも借りないで耐えることが罪滅ぼしだと思ってるんだよ」
「児童相談所は空振り。肝心のキヨも助けを求めない。………どうしようもない。」
話し合いの輪から外れているのは俺とフジ。
フジは一人で席に座って何かを呟いている。1500秒とかなんとか聞こえてくるし、このままだとフジが凶行に及ぶんだろう。
「…もうどうしようもない？」
レトが悲しそうに呟く。
そうだよ。どうしようもない。キヨは救えない。
俺が過去に一度も坑えなかったこの運命にお前たちがどれだけ足掻こうと無駄。
「やっぱり俺が殺しに行ってくる…」
不意に席を立ち上がるフジ。
いつもと変わらない世界。
「殺さなくてもキヨは救えるよ」
ずっと退席していたAが、フジの殺意を遮るように教室へ入ってくる。
「Aちゃん？」
「あははみんなヘコんでるんじゃない！これから戦うんだからテンションあげなって。」
「は…戦う？」
まさか、全員でキヨの叔父を殺そう、とか？
「児童相談所に訴えるんだよ」
……え？
「訴えるって、もうやったじゃん。」
「違う違う。キヨを保護してほしい、だけど様子見と判断された。だったらそれを私たちが覆してやるんだよ！」
それは百年以上生きた俺が初めて聞く言葉だった。
やっぱりこの世界のAは違う。…でも俺はまだこの運命を打ち破れることが出来るとは到底思えなかった。
「あちら側は緊急性がないと思って様子見にしてるんだよ。なら、緊急性を伝えてやればいい。私たちが。」
「あ！そういうことか。みんなでキヨの状況を直接訴えに行くんやな！」
「そのとーり！」
「それはいいね！」
「……でも、どうだろうね。お役所は一度決めたものは簡単に覆さないって聞くし。いくら訴えても意味ないんじゃない？」
一人だけみんなに背を向けて座るフジが、皮肉まじりに低い声で言った。
「…………フジ。やる前から諦めちゃダメでしょ。やらない前から何いってんの」
Aが熱くフジに言うと、フジはうざいとでも言いたげに顔を歪ませ、またみんなに背を向けた。
……………ふぅん。
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しの(プロフ) - 一番最初から全て読ませていただきました！ひぐらしのなく頃にの原作ファンなのですが、あの独特なすこしゾワリとするのに好奇心を駆り立てられるような感じが感じられてとても素敵です……！ (2017年6月14日 4時) (
レス) id: a87db4afc4 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす - ひぐらしのなく頃には知りませんがいいお話です!更新、頑張ってください! (2016年11月23日 17時) (レス) id: e1dd9fb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
たけのこご飯(プロフ) - ダイアナさん» コメントありがとうございます！了解致しました、暫しお待ちをー;; (2016年7月28日 11時) (レス) id: 6e1790e98f (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ - 皆様は「次まだかなぁ」って感じのワクワク感が大好きみたいですけどあたしは苦手かなぁ… 更新待ってます！ (2016年7月27日 23時) (レス) id: 3444009ee5 (このIDを非表示/違反報告)
たけのこご飯(プロフ) - かなでさん» そうなんです長いんですよ。原作はもっと長いんですよ((はい、是非最後までお付き合い下さい！コメントありがとうございました！ (2016年5月15日 19時) (レス) id: 6e1790e98f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たけのこご飯
作成日時：2016年4月17日 19時
