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しばらく見ていなかった清村の家。
俺はその家の前で、立ち尽くした。
「………………キヨ？」
庭でキヨが洗濯物を干していたのだ。
殴られた赤い痣、虚ろな目……やっぱり、やっぱりあいつが帰ってきたんだ。
清村鉄平……キヨを虐待する叔父が。
あいつと一緒にいたらまたキヨはぼろぼろにされてしまうー！
「キヨ！」
「！ヒラ………？」
「こんなところにいないで、早くお家に帰るんだよ」
ぐいっとそれなりに強い力でキヨの手を引く。
キヨは一歩も動かなかった。
「……今日から俺、こっちの家で暮らす。…叔父が帰ってきて………一緒に暮らそう、って…話になってな……」
「ど、どうして！？意地悪な叔父なんかと一緒にいたって楽しくないんだよ！？だって、その頬は…」
キヨは赤い痣になっている頬を片手で押さえ、無理して笑った。
「ちょっとぶつけただけだ。だから、帰れよ。…ヒラにまで迷惑かけたくねぇんだ」
違う
昨日までのキヨじゃない
叔父夫婦の虐待は、キヨの心に強い恐怖心をすりこんだ。
鉄平はその恐怖を暴力で呼びさましキヨの心を支配したんだ……。
ここにいるのは一年前の心をズタズタにされたキヨなんだ。
「…………俺、仕事があるから」
俺は走り去るキヨをとめられない。
ただ涙を流し、嗚咽をあげることしかできない。
昨日まで、あんなに最高の世界だったのに。もう終わりだ！
…………いや、まて。
俺には切り札があるじゃないか。彼らなら、キヨをきっと助けてくれる！
**診療所なう**
「あの清村鉄平さんが……」
p-pとアブならキヨを救えるはず。
「ヒラくん、こういうのはまず児童相談所に行くべきじゃないかい？」
「そんなことしてもキヨは助けを求めないんだよ」
いくつもの世界で俺らはそれを試した！
だがキヨは虐待をされていないフリをするのだ。
耐える事で雪見が帰ってくると信じているから…。
「お願いなんだよ、アブの力でキヨを助けてッ！！！」
「…………つまり、山狗で殺せ、ってこと？」
p-pの表情が強ばる。すぐに頷くと、二人は困ったように顔を見合わせた。
それはそうだ。村の子供が大人二人に、ある人を殺してくれと頼んでいるんだから。
「……アブさん、ヒラくんのお願い聞いてあげましょう。」
「…いいんですか、p-p所長。バレたら責任を問われるのは…」
「覚悟の上。キヨくんが虐められるのは、嫌ですからね」
「……分かりました。山狗と連絡を取ってきます」
アブが退室した。
これでキヨは救われる！やはりこの世界は、違う……！
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しの(プロフ) - 一番最初から全て読ませていただきました！ひぐらしのなく頃にの原作ファンなのですが、あの独特なすこしゾワリとするのに好奇心を駆り立てられるような感じが感じられてとても素敵です……！ (2017年6月14日 4時) (
レス) id: a87db4afc4 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす - ひぐらしのなく頃には知りませんがいいお話です!更新、頑張ってください! (2016年11月23日 17時) (レス) id: e1dd9fb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
たけのこご飯(プロフ) - ダイアナさん» コメントありがとうございます！了解致しました、暫しお待ちをー;; (2016年7月28日 11時) (レス) id: 6e1790e98f (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ - 皆様は「次まだかなぁ」って感じのワクワク感が大好きみたいですけどあたしは苦手かなぁ… 更新待ってます！ (2016年7月27日 23時) (レス) id: 3444009ee5 (このIDを非表示/違反報告)
たけのこご飯(プロフ) - かなでさん» そうなんです長いんですよ。原作はもっと長いんですよ((はい、是非最後までお付き合い下さい！コメントありがとうございました！ (2016年5月15日 19時) (レス) id: 6e1790e98f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たけのこご飯
作成日時：2016年4月17日 19時
