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***
「んじゃヒラ、買い物行ってくるぜー」
「いってらっしゃいなんだよー！」
穏やかな日々が過ぎていく。綿流しまであと一週間。
全ては順調、全ては順調……。
それからしばらくしても、キヨは帰ってこない。
何度時計を見ただろうか。時刻は六時半を少し過ぎた。
「……キヨ、遅いな」
時計の針が、カチッと音をたてた時
俺の体に悪寒が走り抜ける…。
……え…何、なんだろう。嫌な予感がする。
……キヨはたまにセールを狙って帰りが遅くなることだってしばしばある。この時間に帰ってこなくても不思議ではない。
じゃあ、なんでなんで！？すごく、すごく嫌な予感がしたのはどうして！？
「羽入いる！？キヨを探してくれ！」
俺の呼び掛けには誰も答えてくれない。冷酷な時計な音が俺の心臓を押し潰す、だけ……。
「ぁあああああ！！いつもは鬱陶しい程そばにいるのになんでこんな時に限っていねーんだよバカ神！」
俺はいそいでサンダルをはいて、商店街へと走った。
***
「おやおや。ヒラくんじゃねぇですか。ありがたやありがたや。」
「キヨを、キヨを見なかった！？」
「………キヨくんかい？見てないねぇ…」
俺に手を合わせて拝む近所のおばさんに一礼し、走る。
キヨ、どこにいるんだ、キヨ、キヨ…。
「あれっ？ヒラくんやん！こんばんはー」
両サイドのハネ、明るい茶髪、のほほんとした笑顔、レトルトだ！
「レト！キヨを見なかった？」
「キヨくん？見とらんなぁ。今日は特売日だから必ず八百屋にいるはずだけど、今日は見てないんや。…キヨくんがどうかした？」
特売日で……いつもいるのに、いなかった！？
まさか……まさか！？
「なぁ、ヒラくん。キヨくんがどうかしたんか？」
「キ、キヨが……！」
………なんて言えばいいんだ。
キヨがいなくなる気がして！？バカ言え、そんなの分かってもらえない。
そろそろ気付いているんだ、俺。
キヨが突然いなくなる世界を俺は知っている。
あの男が……帰ってくる世界を。
「さよならっ！」
「ヒ、ヒラくん！？」
そんなバカな。
何もかもうまくいってる世界だったじゃないか、あり得ない。
もともとあの男が帰ってくる確率は低いんだ！恵まれた世界で、そんなそんな…。
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しの(プロフ) - 一番最初から全て読ませていただきました！ひぐらしのなく頃にの原作ファンなのですが、あの独特なすこしゾワリとするのに好奇心を駆り立てられるような感じが感じられてとても素敵です……！ (2017年6月14日 4時) (
レス) id: a87db4afc4 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす - ひぐらしのなく頃には知りませんがいいお話です!更新、頑張ってください! (2016年11月23日 17時) (レス) id: e1dd9fb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
たけのこご飯(プロフ) - ダイアナさん» コメントありがとうございます！了解致しました、暫しお待ちをー;; (2016年7月28日 11時) (レス) id: 6e1790e98f (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ - 皆様は「次まだかなぁ」って感じのワクワク感が大好きみたいですけどあたしは苦手かなぁ… 更新待ってます！ (2016年7月27日 23時) (レス) id: 3444009ee5 (このIDを非表示/違反報告)
たけのこご飯(プロフ) - かなでさん» そうなんです長いんですよ。原作はもっと長いんですよ((はい、是非最後までお付き合い下さい！コメントありがとうございました！ (2016年5月15日 19時) (レス) id: 6e1790e98f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たけのこご飯
作成日時：2016年4月17日 19時
