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あじの家に着いて、部屋に行くと
おばさんが飲み物を持ってきてくれた。
『ゆっくりしてってね』
おばさんはそう言うと部屋から出てった。
...なんとなく、おばさんはもう知ってるのかなって。
もしかしたら、お母さんにも連絡行ってるかも。
翔馬「...話していい？」
しょまがそう話を切り出すと、みんな頷いた。
みんな、何を話されるかはきっと分かってる。
言葉にはしないけど、学校でずっと気にしてたから。
翔馬「単刀直入に言うとね、俺病気なんだって」
しょまがそう言った瞬間、誰かの息を呑む音が聞こえた。
翔馬「もう治療しても遅いって。治らないの」
光輝「...平塚、死ぬの？」
翔馬「...先生は今年の冬くらいまでもったらいいって。来年の春までもったら奇跡って言ってた」
それは初めて聞いた。
もうすぐ、って私には言ったから。
...でもわざと言わなかったのかな。
そんなのあの空間で聞いたら、私が泣くのが分かってたから。
湧「やだ、なに遅いって。それを治すのが仕事なんじゃないの？意味わかんない、医者は死ぬのを待てって平塚に言ってんの？」
颯太「わく」
翔馬「俺もね最初聞いた時、なにそれって思った(笑)でも本当はもっと早く行くべきだったのかも」
どうしてしょまはこんなに大人なんだろう。
私がもししょまの立場だったら、
こんなすぐに受け入れられないし前を向けないと思う。
秀生「...どうするの？これから」
翔馬「んー？...思い出いっぱい作ろうかなって。
やりたいこと全部やって、満足してから死ぬ。
だから、みんなにはそれのお手伝いしてほしいの」
颯太「お手伝いするに決まってんじゃん」
秀生「じゃあ、まずやりたいことリスト？作らないとね」
きっと、颯太とあじは泣かないように堪えてる。
だってしょまが泣かないんだもん。
本人が泣いてないのに、こっちが泣けるわけないじゃん。
...まぁ、私も竜生も泣いちゃったし、
湧と黒ちゃんと舞華も泣いてるけど。
翔馬「湧と黒ちゃんと遊佐も手伝ってくれる？」
ずっと泣き続けてる3人にしょまが声を掛けると、
黒ちゃんは無理矢理泣き止んで「当たり前だろ！」と言った。
舞華「わたしでよければ、全然手伝う」
翔馬「ありがとう」
颯太「わく、だいじょうぶ？」
全然泣き止まない湧がさすがに心配になったのか
颯太が声を掛けると、湧は「手伝わないわけないじゃん」と
目を真っ赤に腫らしてそう言った。
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作者名：mim! | 作成日時：2020年11月27日 14時
