きみとの約束 (ページ29)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:84,502 hit

▼ 29 ページ29

"ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ"

体育祭が終わって、打ち上げに誘われたけど断って

真っ先に向かったのはしょまの家。

...ほんとは来るか迷ったけど、会いたかったから。

『Aちゃん？ちょっと待ってね』

インターフォンからおばさんの声が聞こえて、

待ってるとすぐに扉が開いた。

「ごめんなさい、勝手に来ちゃって」

『全然！むしろ疲れてるのに来てくれてありがとう。中入って？翔馬いま寝てるから一緒にお茶しましょう』

お母さんにはちゃんと連絡してある。

そしたら、おばさんからも連絡があったみたいで

お母さん、しょまが早退したこと知ってたから

"帰るとき連絡してね"とだけ言われた。

『...聞いたよ？翔馬と付き合ってるんだよね』

おばさんの言葉に黙って頷くと、

「Aちゃんなら大歓迎！」なんて

しょまたんにそっくりの笑顔を向けてきた。

...きっと、おばさんも不安なはずなのに。

だって、自分の息子がこんな頻繁に体調崩すんだよ？

私がしょまのお母さんだったら心配するもん。

『体育祭、どうだった？』

「...負けちゃいました(笑)3年が強くて」

『あー、そうだよね。3年生は最後だから』

「でも頑張ったからって紫耀先生がアイス買ってくれるんですって(笑)太っ腹ですよね、紫耀先生」

『よかったね(笑)Aちゃんアイス好きだよね』

「はい、好きです(笑)だからあのちょっと高級なやつにしようと思って」

おばさんと二人でいろんな話をしていたら、

静かに開いた扉。顔を覗かせたのはしょまで。

翔馬「やっぱり(笑)声、聞こえたから」

『よし、じゃあ私夜ご飯の用意するね？
Aちゃんも良かったら食べてく？』

「え、悪いですよ」

『ううん、気にしないで？
ノリちゃんには私から連絡しておくから』

"ノリちゃん"っていうのはお母さんのこと。

まぁ、おばさんが連絡してくれるなら甘えようかな。

どうせ竜生、打ち上げで帰ってないだろうし

私も家で食べなかったらお母さん楽だと思うし。

「それじゃあ、お言葉に甘えて」

『そうこなくっちゃ(笑)』

翔馬「じゃあ部屋いこ？」

しょまはそう言うと、私の腕を掴んで

そのまま二人でリビングを出た。

_