ににとねこ - afterstory (ページ6)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:20,949 hit

・ページ6

〔？？？side〕

俺の親友のイーシンに頼まれて秘密で韓国に行き、ある女の子を中国まで連れてきた。

「わー！ここが中国？みんな何喋ってるか全然分かんない！」

無邪気に目をキラキラ輝かせてキョロキョロしている隣の彼女はイーシンの友達らしい。

けど、女友達に留めておくにはもったいないほど綺麗な容姿をしている彼女。

もしイーシンの大切な友達じゃなければ絶対に口説いてる。

そんな美しい彼女を助手席に乗せてイーシンに言われた場所へと車を走らせる。

「ねぇ、どうして昼間なのにサングラスつけてるの？」

「君は知らないかもしれないけど、俺人気者だから顔隠さなきゃ外出れないんだよ」

「へぇー」

おい。
聞いといて興味なさげだな。

普通ならムカっとするはずなんだけど。

イーシンのことは知ってるのに、俺を知らない彼女に興味と謎の好感度を持っている俺は怒る気さえ起きない。

「ところでイーシンのお友達さん。あなたの名前はなんて言うの？」

何も知らない初対面の人に言うような顔で俺の名前を聞く彼女。

本当に俺のこと知らないんだな。

こんな質問久しぶりだ。

「俺はルーハン。韓国ではルハンって呼ばれてたかな。好きなように呼んで」

ニコッと笑うと彼女もニコッと鏡のように笑顔を返してきた。

「私はね、Aっていうの。よろしくね、ルハン」

A。

うん、覚えた。

こちらこそよろしくね。

運転中なので前を向きながら、そう言えば横目でも分かるほどにAは笑顔で頷いた。

出会ってほんの数時間だけれど、初対面のはずの彼女の仕草や言葉１つ１つに癒されているような感じがした。