9滴 ページ10
今までは愛おしかったその天然が私の心を抉る。
『さようなら、だよ』
shk「そうだな」
彼はそう言って笑みをこぼす。
あ─── ダメ。
好き。
大好き。
その優しい笑顔も。
心地よい低い声も。
あまり変わらない背丈も。
裏返ってしまう笑い声も。
白くて細い腕も。
好きなんだ。
どうしようもないぐらい。
今はもう
私だけが、大好き。
「今までありがとな。楽しかった。」
『私も、ほんとに楽しかった』
本当に、心の底からたのしかった。
この時間が終わらなければいいのになんて思うぐらいに。
「それじゃあ、さようなら」
その言葉を最後に、彼は未練も、躊躇いも何もなく、清々しい表情を浮かべてこの場から去っていった。
小さくなっていく背中を見て呟く。
『さようなら』
私の大好きな人。
これからも私の1番は貴方だけだよ。
未練がましくてごめんね。
いつか、忘れられるようにするから。
そのときまでは、貴方との思い出に浸らせて。
溶けたアイスが机にシミをつくる。
それと共に、悲しみのかけらが水溜まりをつくった。
止まることを知らないそれを拭うこともしない。
彼の前で泣かなかったことを誇りに思う。
もう見えなくなってしまった背中に向けて笑顔を送る。
いつの日か、彼が思い出すときの私が笑顔だったらいいな。
───どうか、私の大好きな貴方が本当に愛せる人と出会えますように。
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ののあ(プロフ) - りりらさん» わわ！ありがとうございます😭💗出逢えてよかったと言っていただけるのめっちゃ嬉しいです…！！ (12月10日 11時) (
レス) id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
りりら(プロフ) - コメント失礼します！短いお話なのにここまでちゃんと内容がしっかりしててまとまってて綺麗すぎる。。。ほんとうに大好きですたまたま目に入りタップしてみたのですが出逢えてよかったです🥲他の作品も読みたくなりました、、💞 (12月4日 3時) (レス) @page12 id: 97e36a4b18 (このIDを非表示/違反報告)
ののあ(プロフ) - けいさん» ありがとうございます！そう言っていただけてとっても嬉しいです…！！ (11月23日 19時) (レス) @page12 id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
けい - わっ！！！！！切ない感じほんとに大好きです… (11月20日 23時) (レス) @page10 id: 30409745a3 (このIDを非表示/違反報告)
ののあ(プロフ) - Mさん» shkさんは絶対初心だろうな…という認識がありましたので！笑ありがとうございます！！ (11月19日 10時) (レス) @page8 id: ca8d1d1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののあ | 作成日時：2023年11月7日 22時
