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「ごめん、俺が、俺が悪かってんな」

『謝らないでよ。倦怠期って、ほら、どちらか一方の思いで成立しないものだからさ。
 私もちょっと、冷めてたのかも』

「....俺は冷めてへんし」

『いいよ、そういうの。もう、いいよ』


「毎日毎日ご飯美味しいって言いたいけど、嘘っぽいって言うやんか。
 風呂入ろうって言っても絶対入りたくないって喧嘩になりそうになったから嫌やってん。
 休みの日はずっとイチャイチャしたくても、出かけたくても、”出費が”とか”甘い雰囲気やだ”って言うたやんか」


馬鹿だな、馬鹿だ。
それで拗ねて私から構ってくるのを、甘えてくるのを待っていたら私が全然普通に生活するから悔しくてこのまま構ってくれるのを待ってたなんて。
本当に馬鹿だ。


『......そんなの全部、照れ隠しじゃんか』

「[FN:名前]の前ではかっこいいままで居たかってん。こんなダサいこと言われへんよ」


『だからって3ヶ月も会話ないなんてあり得ない』

「せやから、ごめん。」

『.....ううん違う、違うよね。私が先に冷めちゃったんだ』

毎日向けられる好意に胡座をかいたのは、素直になれなかったのは私の方だ。



『ごめん、智洋くん』

「こんなことなるんやったら最初から駄々こねればよかった」

ちょっと下唇を出して可愛い顔をするから笑っちゃう。

『ふふ、馬鹿。笑』

「せやろ?かーまーってーやーって笑」

『私も駄々こねればよかったね。ゲームばっかりやだーギターばっかりやだーって』


ああ、そうだこの気持ちだ。
胸がきゅっとして、交わる視線に身体がぽかぽかして。


「あと、透明人間なんかやないで」

『ん?』

「俺、[FN:名前]が寝た後毎日チューしに行ってたから」

『はっ!?』


やからゲームして起きててん。
もう全クリしてやることないのに笑

なんて、狡いよ


『.....起きてるときにしてよ』


「あ、やばい今のキュンときた」


『やだ、そういうこと言わないで』


「いや、これからは思ったこと全部口に出すって決めたんや」


むぎゅーっと抱きしめられたぬくもりに身体が熱くなる。

「ちゅうしよか」


重なった唇は、火照る身体は付き合ったときと何も変わっていなかった。


"早く部屋の契約切ってな"

"やだよ、出費が"

"でた、出費。ええやんか、俺が仕事頑張るからさ。


そしたらさ、結婚しようや。"


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作者名:あんまん | 作成日時:2020年10月30日 13時

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