とある森の妄想族(短編集) 続 (ページ5)

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一度私の家に寄ってから照史の家に行く。

『お邪魔します』

「もうええって」

お邪魔します、って来る度に言わなくて良いって何回か言われてはいるけれど慣れなくてどうしても言ってしまう。

「もうさ、ここ住めば？」

『え、え？』

「住まん？」

『えーっと....同棲ってこと？』

「....そう」

相変わらず照れると人の顔を見ない。
今も目が合わないから彼なりに照れているのだろう。

『....とりあえず、えーっと色々考えさせて』

「....あー、あかんならええねん」

『違う違う、引っ越したばっかりで更新まで時間あるし、荷物も多いから断捨離したいしってこと』

そういうと力が抜けたようにしゃがみ込んでしまう。
大きな背中が小さく見える。

「もう、ほんま心臓に悪いわ...」

意外とガラスのハートの持ち主なところも、倦怠期を乗り越えてから知った一面。

『ごめんごめん、ね？』

彼のしゃがむ隣に座って顔をのぞき込むと

「許さん」

『わっ！』

「今日は覚悟せえよ」

寝かせへんからな、だそうです。

今夜はシーサーの目が覚めませんようにと声を潜めて夜な夜な気力を吸い取られた。
これも愛おしい彼の姿。

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