とある森の妄想族(短編集) (ページ32)

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合コンで出会った超無愛想超ツンツンの彼女に振り回される話(紫) ページ32

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第一印象はクソつまらなそうにしている女の子。

合コンにいた他の女の子に比べて表情が一切変わらず、会話もそんなにしないし、正直何しにきてたんや？と今でも謎なくらい。

そんな彼女が面白くて、いつのまにか目で追ってしまっていて、隣になった時にめちゃくちゃアピールした。めちゃくちゃやで？

「俺、濱田って言うんやけど」

『はい』

「Aちゃんのことめっちゃ気になってんねんな」

『ほう』

「連絡先交換せえへん？」

『ごめんなさい』

「何でなん！？」

俺らの真剣なやりとりは周りから見たらとても滑稽なものやったらしく、めちゃくちゃウケてた。

あの後結局半端強引に連絡先をゲットして帰ったけど、合コンにおったメンツからはいじられまくった。
けど、俺は真剣やったし、なんなら"気になる"所の騒ぎではなく完全に好きになっていた。

一切変わらない表情を俺がちょっとでも笑わせられたらいいな、なんて。

あれから2年経って、ようやく付き合うまでにこじつけた。

これまた半端諦めたように、わかったと言わせてしまった気がするがそれだけでもこっちはガッツポーズだ。

だが...
(えぇ！？まだ何もしてへんの！？おま、え！？)
照史が驚くのも無理ない。出会ってから5年、付き合ってから2年、未だに手が出せていない。

「...やって、向こうほんまに俺のこと好きか分からんし」
(好きやなかったら2年も付き合ってないやろ)

「せやけど〜」

前よりは読み取りやすくなった表情やけど、まだやっぱり不安で。彼女から俺に対する愛が感じられないからやろうか。

(女の子は結婚も意識する歳やねんからちゃんと話せな)

そう同情の混じった言葉に気の抜けた返事をして彼女のもとに向かった。

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