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友人Aでも恋して良いですか(黄) ページ30

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まるで芸能人のような容姿に飾らない性格。
彼女は誰が見ても魅力的だ。
私はその隣にいる友人Aってところかな。

よく一緒にいる私に彼女の連絡先を聞いてきたり、2:2で食事行こうと誘ってきたりする男性は少なくなかった。
だからかな、いつからか"私自身に興味のある人なんていない"って思ってた。

「連絡先教えてくれへん?」
この日もまた別の部署の男性から声を掛けられた。
『ん〜本人に確認してみないとなんとも...』
「いや、本人やろ?」
『え?』「え?」

2人してお馬鹿みたいな顔をしてたと思う。

『もしかして...私の連絡先聞いてます?』
「それ以外無いやん笑」
クスクスと笑う顔はよく見たらすごく綺麗。

え、こんな人が私の?なんてドキッとしちゃうけどきっとこの人も彼女に近づく為の近道として私に話しかけてきただけだろう。
そう結論付くと一気に冷めてしまって会社携帯のメアドを教えた。別に十分でしょ?

なのにあれから凄い連絡来るし、無視し切れなくてご飯の約束しちゃったし。
「ごめん、待った?」
『いや、私も今来たところです』

中間さん。彼の名前は同期の藤井が教えてくれた。
向こうではかなり有名人らしい。
仕事も出来るしかっこいいし。目の前で伏し目がちにメニューを眺める顔を見つめて納得してしまう。

「ちょっと、そんなに見つめられると照れるんやけど」
手の甲を口に当てて恥ずかしがるなんて学生の頃読んだ少女漫画でしか見たことない。

『え?...あぁ、すみません。注文お決まりですか?店員さん呼びますか?』
「ん、お願い」
店員さんを呼ぶと飲み物といい感じに料理も頼んでくれた。

「じゃあ、お疲れ」
『お疲れ様です』
グラスを持つ細い指も捲ったシャツから伸びる細い腕も、うん。彼女のストライクゾーンだな、なんて勝手に彼女に紹介することを考えていた。

「あ"〜うまっ!...そんで?なんで会社携帯の連絡先しかくれへんの?」
『え?必要ですか?』
「ちょっと待って。地味に傷つくんやけど...」
『え、ごめんなさい...いや、きりちゃんと仲良くなるためなら別に私のは連絡取れればいいかな〜と...』
「ん?きりちゃん?桐山のこと?」
『あ、大丈夫です!私口は固いし、中間さん彼女のストライクゾーンだと思います!!』
と元気よく言うと、ぽかんとしていた中間さんが声を上げて笑い出した。

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作者名:あんまん | 作成日時:2020年10月25日 19時

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