追う獅子から逃げる乙女(青) (ページ11)

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ep.11 ページ11

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その日の6時間目は移動だったので廊下を歩いていると、丁度前から中山くんが歩いてきた。

『どうも』

優「どうも。意外、こういうときも話しかけてくれるんやね」

『どういう意味？』

優「特進って俺らみたいなの馬鹿にしてるイメージやから」

『そんなことないで。中山くんこそクールなイメージやったわ。』

優「なあ、その中山くんってのやめてや。呼ばれ慣れてないから」

『じゃあ、優馬くん？』

優「うん、それで。じゃ、また明日」

あんまり男子を名前で呼ぶことがない私は少し違和感があったけど、
中山くんって呼ぶ人あんまりいないよな、とふと思った。

っというよりは、あまり女子と話すイメージがないというか。

その会話をまさか藤井くんが見てるなんて知らず、私は少し早歩きで次の教室へ向かった。

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「次の授業で小テストするからな。成績に含むからちゃんと点数とること！」

そう先生が言うと皆目の色を変える。
特進って勉強ばっかりでつまらない人間の集まりかと思ってたけど、案外賑やかやし楽しい。
でもこういうところは流石特進。

「あの、神田さんって物理得意やんな？俺理科駄目やねん。教えてくれませんか？」

今日の実験で隣に座ってた男子が話しかけてくる。

『うん、私で良ければ。』

「ほんまに？うわあ絶対断られると思ったわ」

「え、待ってお前だけずるいって！俺もお願いします！」

「俺も！」

っと、次々に男子が話しかけてくる。

「おー神田なら安心やな。1組は物理と生物の点数が例年に比べて低いし、苦手意識のある子も多いやろ。神田は例年の特進2年より出来良いし、放課後勉強会するなら実験室使ってええで」

話を聞いていたらしい先生がそういうと、私も！と言ってきた女子を含めて
計8人に教えることに。

今までもこういうことはあったけどこんなに沢山の子に教えるのは初めてやな。
自分の勉強にもなるし、とオッケーした。

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