ep.7 ページ7
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神「とりあえず拭かんと。タオルもってるん?」
『いえ。でも今から着替えるので...』
神「ほんならちょっと待ってて。」
小走りで4番個室の中へ
神「はい、これ使いや」
神山さんの手には大きめのタオルが。
『え、いや申し訳ないですし』
神「いいから!ちゃんと拭いてから着替えな。風邪引くで?」
『いや、あの...』
お返ししようとしたらそのままタオルを私の頭に被せ、
個室に戻ってしまった。
少し体も冷えてきたし、早く着替えて戻らないと。
そう思いとりあえず倉庫へ向かった。
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『すみません!戻りました!』
着替えて戻るとまだ時間じゃないのにフロアにはお客様がいなかった。
店長「おう。....ほんまごめんな。守ってやれへんかった」
『え?いや、そんな店長の責任じゃ...』
英「俺もごめんな。俺が薄くしたばっかりに...」
『英さんは悪くないですよ。正直あのお客様の悪乗りがすぎただけです。
英さんにかからなくてよかった』
あの後、主犯の方は酔いが覚めたのかそのまま頼んだ料理も食べずお会計をして帰られたそうで。
他のお客様も気を遣ってかお帰りになったみたい。
英さんと柊さんがお客様一人一人に頭を下げて、申し訳ありません。また来てくださいと言ってくれたみたい。
さっき溢れそうだった涙がまたこみ上げてきた。
店長「そんなしんみりすんな。ほら、今日の賄い。
これ食って元気だしや!」
『っはい!』
「山さんごちそうさーん!」
店長「おう!照史久しぶりやな!神ちゃんもありがとな!」
神山さんともう1人初めて見る方が。
同じメンバーさんかな?
桐「今日は早いんやね。なんかあるん?」
店長「ちょっとごちゃごちゃあってな。次はゆっくりできるから。すまんな!」
あ、タオル....
『あの...タオルありがとうございました。
助かりました』
神「ああ、ええねんええねん。別に返さんでいいから。」
『いや、返します。洗ってクリーニングに出します。
あ、それとも新しいものをお返しした方がいいですか?』
神「ははっ、ほんまにええって。気にせんでな。ほなまた」
もう1人の方に呼ばれそのまま帰ってしまった。
申し訳なさはもちろんあったが、このご時世にこんな優しい人がいたんだという感動の方が大きかった。
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あんまん(プロフ) - 那智さん» 気づくのが遅くなってしまいすみません。素敵なお言葉ありがとうございます。これからも宜しくお願いします! (2020年10月28日 16時) (レス) id: 6d524ee8df (このIDを非表示/違反報告)
那智(プロフ) - いつもTwitterでお邪魔してます☆あんまんさんのお話どれも大好きです☆Twitterもこちらもこれからも楽しみしています☆いつも素敵なお話ありがとうございます☆ (2020年9月9日 23時) (レス) id: 8d359b422e (このIDを非表示/違反報告)
あんまん(プロフ) - 神山もか.さん» はじめまして。読んで頂けて嬉しいです。また宜しければ感想のコメントくださいね! (2019年9月19日 2時) (レス) id: b79232cc17 (このIDを非表示/違反報告)
神山もか. - はじめまして!凄くステキな作品でキュンキュンしました!続編楽しみにしてます!必ず読ませていただきますね (2019年9月16日 20時) (レス) id: 8360bad8dc (このIDを非表示/違反報告)
あんまん(プロフ) - なつきさん» 嬉しいです!続編私も描きたいので新作のお話の合間にでも入れようかなと思っております。次回作でもお会いできたら嬉しいです! (2019年9月11日 0時) (レス) id: b79232cc17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんまん | 作成日時:2019年5月12日 15時