私とイジフン

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ミヌさんは私に手紙を送ってきた人。
この人はこの会社で主に楽曲について携わっているかなり偉い大先輩。

『あの今日の曲のことなんですけど、何かもの足りないと感じたのですが・・・』

MN「何が足りないのか分からないって？」

『はい。』

MN「じゃあ、自分だったらどう曲を作るか、実際に送られてきた曲をアレンジして録音したのを送ってみたらいいんじゃない？」

『アレンジですか？』

MN「実質お前はアレンジの能力が買われて契約してるんだから。じゃ、頑張れよ」

なるほど。
単純にそう思った私は早速作業に取り掛かった。
私にとって初めてのアレンジ作業。
この部屋にあるキーボードを本格的に使うのは初めてだ。

パソコン関係の仕事出身だからか機械には強く、なんとなく部屋のものは使いこなせている。
何度も何度も元の曲を聞いて、キーボードを触っての繰り返し。
正直、楽譜に手書きするよりもパソコンで打った方が早いのでデスクトップのメモにどんどん曲を書き込んでいく。

基本的にその日送られてきた曲はその日に送り返さなきゃいけないため、入社して初めての残業中。
でも、不思議と嫌ではなくて。
段々と完成してく曲・・・膨らむイメージ・・・
凄く楽しかった。

気づくともう9時。
そして何とか完成した2;58の曲。
もう1度聞き直して。

『良し、でーきたっ』

メッセージに張り付けて送る。
”4-C Aです。遅くなり申し訳ございません。”

『送信っと・・・ふう、帰ろう！』

ピアノの電源を切ったり、部屋の掃除をしたりしているとパソコンにメッセージが。
7-Aからまだ会社にいたら来てください、とのこと。
なんだろう。

わかりました、とだけ送ってパソコンを閉じ、荷物をもってエレベーターへと向かった。


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