アンラッキーな日(JN) ページ15
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(JENO side)
あれが5月で、その後は結局何もなかった。普通に講義受けて、サークル行って、バイト行っての繰り返し。偶にAさんをチラッと見かけることはあっても話すことなんてなかった。
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6月になって、教育学部の前期末試験が近づいてきた。勿論実技の試験もあるのだが、教授達も気合いが入ったのかいつもよりかなり時間が延びてしまった。
着替えて外に出るとまさかの土砂降りで、"だったら着替えないでジャージのまま帰れば良かった"と後悔した。まあ、傘も合羽もあるから問題無いけど。
帰ったら何しようかな〜なんて考えながらほとんど人のいない校内を進むといきなり"オッパァ！"という声の後に女の子が隣に駆け寄ってきた。
え、何、何事！？と思ったのだが、人間驚きすぎると声が出ない。
フードを被り縮こまる彼女が来た方向を見ると、男の人がこちらを見ていて、何となく事態を察知した。
『ごめんなさい、ちょっと怖い人に話しかけられてしまって....。大学出るまでで良いのでこのまま隣歩かせてください。』
震える声で小さくそう言った彼女に、うんともすんとも言えないまま門まで着いていってしまった。
彼女が濡れないようになるべく傘を倒して歩いたから右半身が濡れてしまったけど、そんなことよりも俺は途中で気付いてしまったのだ。
この子、Aさんじゃない？
そう気付いた途端に心臓がバクバクしてきて、落ち着かない。
門を出るとパッと顔を上げた彼女は
『......すみません、ありがとうございました。』
と言って俺の顔を見て、何かに気付いたような顔をした。
やっぱりAさんだったのか。この反応ってもしかして、俺のこと覚えてたり...。
いけ！イジェノ！今がチャンスだ！と思ったのに、口から出たのは、
「傘ないんですか？」
「僕自転車で来てるから傘使わないので、どうぞ」
で、傘を押しつけるようにして駐輪場に向かってしまった。
あぁ〜〜〜〜！イジェノ！何してんだよ！
僕ってなんだよ〜！気持ちわり〜〜〜！！！
このやり場のない思いをどうしたらいいか分からず、とりあえずジェミナに変なスタンプをたくさん送った。
ごめん、ジェミナ。
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はりねずみ(プロフ) - 何度も読み返してます！とても面白いので次のジェミンの話も楽しみにしてます！ドンヒョクのお話のパスワードを知りたいのですが、教えていただけますか？ (2021年8月7日 18時) (
レス) id: d7178e9f9f (このIDを非表示/違反報告)
そんふん(プロフ) - "構成要素"をお互いに見せ合って、"オッケー！"ってなったら付き合うという考え方が、すごく素敵でした。何度も読み返すくらい大好きです！ (2021年8月6日 1時) (レス) id: 0e6301f498 (このIDを非表示/違反報告)
さなこ(プロフ) - この作品、好きすぎて月1くらいで読み返してます。笑 (2021年6月4日 1時) (レス) id: a10af9d64e (このIDを非表示/違反報告)
あんまん(プロフ) - みんさん» コメントありがとうございます！ジェノペンさんにそう言ってもらえると凄く嬉しいです...!私もまた書けたらいいなと思っているのでその時はぜひ宜しくお願いします！ (2021年4月16日 9時) (レス) id: 6d524ee8df (このIDを非表示/違反報告)
みん - こんばんは、ジェノペンです。こちらの物語めちゃくちゃ面白くて何回も読みました！文章も読みやすくて、リアルな学生の会話のような感じでほんとドキドキしました。またいつかジェノの物語書いていただけたら嬉しいです〜！ (2021年4月16日 1時) (レス) id: d53afc680c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんまん
| 作成日時：2021年2月14日 16時
