きっと一生忘れられない日 ページ13
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6月になって本格的にサークルで活動するようになり、帰るのが大分遅くなってきた。
韓国は日本みたいに梅雨はないと思っていたけど、やっぱり油断は禁物。
サークル棟を出ると土砂降りの雨が降っていた。
朝は晴れていたのになあ。携帯の天気予報はそんなに信じない方が良さそう。
一度全学棟に行って鍵を返さなきゃいけなくて、雨の中走って行ったらかなり濡れてしまった。
「あれれ？もしかして傘なかったりする？」
『あぁはい』
全学棟の玄関で軽くバックや服を拭いていると後ろから如何にもチャラそうな人が来た。
....面倒だな。
「俺車だから良かったら送ろうか？」
『いや、大丈夫です』
「遠慮しなくていいよ、ほら行こ」
『ちょ、ほんとにいいですって』
名前も知らない人に突然腕を引っ張られるなんてこと今まで無くて必死に反抗しているはずなのに足に力が入らない。どうしよう、怖い。
その時ちょうど全学棟の前に背の高い男の人が見えたので、相手の人が傘をさそうとした瞬間に走った。
『オッパァ！』
その人の隣に隠れるように並んで歩く。年上かどうかも知らないし、オッパなんて言ったの初めてだけど、きっと昨日見たドラマの影響で咄嗟に出てしまった。
『ごめんなさい、ちょっと怖い人に話しかけられてしまって....。大学出るまでで良いのでこのまま隣歩かせてください。』
フードを被り、あの人が視界に入らないように下を向いて、震える声で言ったから聞こえていたかわからないけど、隣の男の人は何も言わず大学の門まで歩いてくれた。
『......すみません、ありがとうございました。』
顔を上げた瞬間に、あっと思った。
この人以前私にご飯よそってくれたイケメンだ。
「傘ないんですか？」
『あ....でも大丈夫です。走るので』
「いや僕自転車で来てるから傘使わないので、どうぞ」
自転車！？じゃあ途中で駐輪場行かなきゃいけなかったのにわざわざ門まで着いてきてくれたってこと？.....良い人すぎる。
『すみません....。ありがとうございます』
「いえ。じゃあ気をつけて」
そう言って戻っていったご飯のイケメンさん。
韓国に来て一番怖いことと、一番嬉しいことを同時に経験した気分。今日のことは一生忘れない。
彼の折りたたみ傘はネイビーのワンタッチタイプだった。
傘を渡すときに一瞬触れた手がとても冷たくて、なのに私の顔はとても熱い。
彼の去って行った方向をしばらくぼーっと眺めてしまった。
......あ、名前聞くの忘れた！
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はりねずみ(プロフ) - 何度も読み返してます！とても面白いので次のジェミンの話も楽しみにしてます！ドンヒョクのお話のパスワードを知りたいのですが、教えていただけますか？ (2021年8月7日 18時) (
レス) id: d7178e9f9f (このIDを非表示/違反報告)
そんふん(プロフ) - "構成要素"をお互いに見せ合って、"オッケー！"ってなったら付き合うという考え方が、すごく素敵でした。何度も読み返すくらい大好きです！ (2021年8月6日 1時) (レス) id: 0e6301f498 (このIDを非表示/違反報告)
さなこ(プロフ) - この作品、好きすぎて月1くらいで読み返してます。笑 (2021年6月4日 1時) (レス) id: a10af9d64e (このIDを非表示/違反報告)
あんまん(プロフ) - みんさん» コメントありがとうございます！ジェノペンさんにそう言ってもらえると凄く嬉しいです...!私もまた書けたらいいなと思っているのでその時はぜひ宜しくお願いします！ (2021年4月16日 9時) (レス) id: 6d524ee8df (このIDを非表示/違反報告)
みん - こんばんは、ジェノペンです。こちらの物語めちゃくちゃ面白くて何回も読みました！文章も読みやすくて、リアルな学生の会話のような感じでほんとドキドキしました。またいつかジェノの物語書いていただけたら嬉しいです〜！ (2021年4月16日 1時) (レス) id: d53afc680c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんまん
| 作成日時：2021年2月14日 16時
