３０話 ページ34
良太猫が寝かされていたところから出て来てリクオにそう言うと、今度はぬらりひょんと鯉伴の方へ向き直り頭を下げる。
｢総大将、2代目、全てはこの良太猫の不甲斐なさが招いた結果。落とし前は、この良太猫が付けさせて貰います。｣
そう言い、良太猫は出ていこうとする。
それをリクオが止める。
｢良太猫！君に一体何ができるって言うんだ！｣
だが、良太猫に引く気は無い。
｢若…妖怪には負けると分かっていてもやらなきゃならねぇ時がございやす。｣
『カッコイイねぇ((ﾎﾞｿｯ』
｢お前もそう思うかい。｣
フラフラにも関わらず庭へ出ようとして倒れた良太猫をみて俺が呟いた言葉。
まさか返事が来るとはね。
『ははっ、鯉伴も悪趣味だね。
手助けしようとはしないのか？』
｢俺はリクオに選ばせたいんだ。｣
選ぶ…ねぇ。
『俺には分からないね。俺には人の血は無いからな。』
鯉伴と会話をしてるうちにどうやらまとまったみたいだ。
ーー ｢夜明けまで、鼠刈りだ。｣
覚醒したリクオ、その姿は凛々しく、月の光に照らされた長い髪が妖美に映る。
『あんたの息子はどちらもとると思うよ。』
｢ははっ、そりゃあいい。楽しみだ。｣
『ああ、おれもだ。』
ーーーーーーー
no-side
窮鼠の屋敷にて。
｢人間の血は夜明け前が1番ドロッとして美味しい。｣
窮鼠はゆらとカナを入れている檻の扉を開けながら言う。
そして、ゆっくりと2人に近づく。
｢近づかんといて！｣
ゆらはカナの前に出て言う。
(式神さえあれば…)
｢そんなにこの紙切れが大事か？｣
ゆらの心情をさっしたかのように言い、式神の紙を食べる窮鼠。
(あかん。だれか…だれか、助けて…)
もうダメだ…と思われた。
次の瞬間、壁を突き破り何体もの妖怪が姿を現した。その中には、雪のように白い髪を持ち、黒い狐の耳と9本の尻尾をもった妖怪の姿もあった。
｢窮鼠さま、、これは…｣
｢ああ、俺も初めて見た。多分これが｣
ーーー 百鬼夜行。
ーーーーーーー
Aside
あららぁ、派手にぶち破ったなぁ。
窮鼠もビックリしてらぁ。
窮鼠に問われ、回状を破き、戦闘が始まる。
この間にゆらたちは檻から逃げている。
さぁ、楽しませておくれ。ネズミ共！
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作者名：椿餓狼 | 作成日時：2017年7月22日 1時
