忍者に転生した私は愛を叫ぶ2

転生しちゃった ページ41

さすが女の子、反応が野郎共とは全く違って、違う可愛らしさがある。


こりゃあ良い女になるな、と一人スンッと納得していると、



「なあなあ、Aちゃん」

『ん？』

「その、お弁当くれるのは嬉しいんだけどよ、やっぱ良いよ、俺に弁当分けたのばれちまったらAちゃんが不合格にされちまうってばよ」




少し寂しそうに言うナルト。


腹が空いてるだろうに私のことを案じて言ってくれることに胸を撃ち抜かれた気がした。



『ん"ん"っ"！！良いのよナルト！！私はお姉さんだから！！！大丈夫なの！？！！！それに、ナルトはまだまだ育ち盛りなんだからこういうとこでもしっかり食べないとね！？？でも心配してくれてありがとう！優しいね！！愛してる！！！！』



私の怒涛の叫びに少しくすぐったそうに笑うナルト。



(あぁもうこの子は何でこんなに愛しくなることしかしないんだろう···)



「へへ···ありがとうってばよ」

『ン"グ"ッ"！！！』



まさかの追い討ち、不意打ち、三段撃ちがあるとは思わず、もろにナルトのはにかみを受けて目眩がしそうなった。


私は大きく息を吸い、早鐘を打つ心臓を落ち着ける。


そして箸で弁当の具を掴み、ナルトの口へと運んだ



···刹那だった。




「お前らあぁあ！！」



大きな音を立てて現れたはたけ先生。


最早驚きすぎて叫び声すら出ない。


先生は鬼のような形相をして私達に詰め寄ってきた。



(まずいまずいまずい！！！)



間違いなく皆不合格にされる。


そう感じた私は気づけば皆の前へと立ちふさがっていた。



『落とすなら私だけにしてください

この子達は何もしてません

···けど、』



そこで言葉を区切って先生を睨み付ける。



もう逃げない、変わるんだ、情けない自分から。


何も出来ない自分から。


その意味を込めて視線を投げた。



『もし、もし！この子達を落とすと言うのなら、私は力づくで先生を止めさせて頂きます！！！』

「青木さんだけがやったんじゃないわ！私もナルトにお弁当を分けました！」

『え！？春野さん！？』

「あぁ俺もやった」

『サスケ！？』

「Aちゃんだけに責任負わせる訳にはいかないってばよ！皆で背負うのがチームワークだ！」



庇おうとした皆からの加勢に空いた口が塞がらない。


落とされるかもしれない瀬戸際なのに庇ってもらえたことが嬉しく感じてしまう自分がいた。


そんな私達を先生はじっと見つめ、やがて口を開いた。





「ごーかく」

転生しちゃった→←転生しちゃった

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す