転生しちゃった ページ28
その日の夜、不意に胸騒ぎがして私は目を覚ました。
何とも言えない良からぬ感覚。
私はそろりと布団を抜け出すと、自室の窓から外の家々の屋根へと飛び移る。
何故か後から後へ吹き出てくる不安感。
何かが崩れてしまうような、取り返しの付かないことになりそうなそんな不安。
気をまぎらわせるために屋根を駆けていると、不意に家々の下に見慣れた姿を見つけた。
(我愛羅···？)
こんな時間に何をしているのだろうと思い見ていると、何やら紙袋を抱えて何かを期待するように暗い道を走っているのだった。
後を追って屋根をつたっていく。
どうやら我愛羅は今日、怪我をさせてしまった女の子に仲直りをし、仲良くなるために傷薬を渡しに行っているらしかった。
何て優しいんだっ···！！と、胸を押さえて悶えていると、ふと我愛羅が来た道を逆走しているのを捉える。
あんまりにも悲痛な顔をしていたから何があったんだと先程、我愛羅が訪れていた家を見る。
傷薬の入った袋が落ちているのを見るに、どうやら受け入れて貰えなかったらしい。
だから我愛羅はあんな顔をおして走っていったのか、と彼の走っていった道を見やる。
刹那、男の人の助けを呼ぶ声が町に響き渡る。
その声に弾かれるようにその場から走り出し、我愛羅の後を追った。
(あ···！！！)
その先で見えた我愛羅が砂で見知らぬ男を掴み上げている光景が目には入り咄嗟に腹に力を込める。
『我愛羅！！！』
そう叫ぶと我愛羅はハッとして私の方を見上げた。
しかし、一瞬迷子のような目を私に見せてそのままドシャリと男を解放して走っていってしまった。
『あ！ちょ、待って···！我愛羅！！ちょ、待てよ！！！』
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どんてん(プロフ) - 黒川かぐやさん» ありがとうございます！！そのように言って頂けて本当に嬉しいです！！ (8月29日 18時) (
レス) id: 65557726b3 (このIDを非表示/違反報告)
黒川かぐや(プロフ) - 転トラじゃなくてめっちゃ嬉しいです!!!この作品自体も大好きです!!! (8月29日 16時) (レス) @page1 id: 5ae6456499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どんてん | 作成日時：2023年7月8日 17時
