転生しちゃった ページ24
今日も変わらず我愛羅と二人でブランコを漕ぐ。
他愛ない話をポツポツしながら、時に驚いて、笑って、顔をしかめて。
そんな風に穏やかに過ごしていた。
『我愛羅？』
ふと、ある一点を見つめたまま動きを止めた我愛羅に声を掛けた。
けど、返ってくるのは空返事。
不思議に思いながら我愛羅の視線を辿ると···
(あ···)
楽しそうにボールを追いかけて走り回る子供達の姿。
子供らしく、和気あいあいとしている雰囲気に我愛羅は釘付けのようだった。
その我愛羅の様子を見ると、やはり悔しくなる。
自分にはどうしてやることも出来ない、無力過ぎると。
もどかしく思いながら見つめていると、ふと子供達のボールが明後日の方向へと飛び上がった。
あっ！と言う間にボールは崖の上へと着地する。
子供の背丈じゃどうしようとも届かない高さだ。
どうするんだろう、なんて思っていると、隣のブランコから鎖が軋む音がした。
ぱっとそちらへ見やると、我愛羅がブランコから立ち上がり、子供達の方へと歩いて行った。
急いで後に着いていくと、我愛羅は崖の下で立ち止まった。
手を崖の上に向かってかざすと、我愛羅の回りに砂が集まり、崖の上に飛んでいった。
その様子を見ていた子供達は段々と我愛羅に気づいたようでどよめきが生まれ始める。
そんな空気の中、崖の上に行っていた砂がボールと共に我愛羅の元へ降りてきて、そのボールを我愛羅の手に乗せた。
そして我愛羅は私の方をチラリと見た。
きっとこれを切っ掛けにして仲間に入れて貰いたいんだろうと思った私は大きく頷いて、良いぞ！言っちゃえ！とゴーサインを出す。
私の反応に嬉しそうな顔をした我愛羅は一瞬不安げな表情を見せつつ、何かを決意ひたように口を開いた。
「あの···これ···」
そう言ってボールを差し出し、
「僕も一緒に···」
(良いよ！良いよ！その調子だよ我愛羅！！！)
震える声で自分の意思を伝えようとする我愛羅に私は心の中で応援する。
しかし、ボールを差し出されどよめいていた子供達は段々と顔色を変えていった。
「こいつ···我愛羅だ···！」
「あの我愛羅···！！」
「おれ、母ちゃんに我愛羅とは仲良くするなって言われてるんだ」
「"化け物"の我愛羅···！！！」
誰かの溢した声を皮切りに次々と冷たく酷い言葉を投げつけられる。
どうにかしないと！と思った時には子供達は蜘蛛の子を散らしたように皆走り出してしまっていた。
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どんてん(プロフ) - 黒川かぐやさん» ありがとうございます！！そのように言って頂けて本当に嬉しいです！！ (8月29日 18時) (
レス) id: 65557726b3 (このIDを非表示/違反報告)
黒川かぐや(プロフ) - 転トラじゃなくてめっちゃ嬉しいです!!!この作品自体も大好きです!!! (8月29日 16時) (レス) @page1 id: 5ae6456499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どんてん | 作成日時：2023年7月8日 17時
