プロローグ ページ1
特にいつもと何ら代わり映えしない生活。
でも退屈だとか、刺激が欲しいとは思わない。
だって充実してるって感じるし、辛いことは無いから。
だから、
(今日も平和だなぁ···)
なんて呑気に考えていた。
私は今、自分が通っている高校からの帰りで、携帯片手に音楽を聴きながら登下校の際に利用する電車が、ホームに到着するのを待っていた。
(今度の期末は転けたらまずいんだよなぁ···)
と近々行われる忌々しい定期考査のことを考え、少しばかり焦燥感を覚えた。
実は、中間考査の結果があまりよろしくなかったからだ。
電車の中で単語帳読むのとか、意外と面倒なんだよなぁ、なんて考えながら、自分のカバンに手を入れた。
本当に何時もと何も変わらない、何の変哲もない、ただの日常の一コマの出来事の筈だった。
_ドンッ_
背中に衝撃が走り、前へと動く重心、そして浮遊感、あっ、と気づいたときには···
(やば···！)
私の眼前にはいつも見る電車。
(私、死ぬんだ···)
何て思った時には物凄い衝撃が体を襲い、自分は電車に跳ねられたんだ、と恐ろしいくらい冷静に実感した。
突然の出来事だったが、私は特に激情が沸いてくるとか、きっと何かムシャクシャしてたのかホントにうっかりだったのかわかんないけど、私のことを押し出してしまった人に対する恨みとか、そんなものは一切無かった。
ただ一つ思ったのは···
(イヤホンしてたから電車来たの気づけなかったのかなぁ···)
てことだけで、それをさいごに私の意識は途切れた。
「あなた！女の子よ！お·ん·な·の·こ！！」
「何て天使なんだ！この子は君に似て途轍もなく可愛らしいじゃないか！！全く君って奴は！どこまで素晴らしいんだ！！」
(ん···？何だ？)
段々と意識が浮上してくるに連れ、クリアに聞こえてくる二人の男女の声。
聞き馴染みの無い声だったため、怪訝に思うし、少々静かにして欲しいとも思ってしまう。
仕方なく状況を確認するために目を開いた。
(ん！？？)
そして驚愕した。
なんでって、声の正体であるとおもわれる二人が私のことを覗き込んでいて、しかも知らない人だったからだ。
「あなた！見た！？この子目を開けたわ！！天才かもしれない！！！」
「あぁ！見たさ！！！やっぱり天使だったんだ！僕らの子は！！」
そう言って大はしゃぎする二人
この状況から察するに、恐らく···
(私、転生した···！？)
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どんてん(プロフ) - 黒川かぐやさん» ありがとうございます！！そのように言って頂けて本当に嬉しいです！！ (8月29日 18時) (
レス) id: 65557726b3 (このIDを非表示/違反報告)
黒川かぐや(プロフ) - 転トラじゃなくてめっちゃ嬉しいです!!!この作品自体も大好きです!!! (8月29日 16時) (レス) @page1 id: 5ae6456499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どんてん | 作成日時：2023年7月8日 17時
