第6話 ページ8
「ｽｰｽｰ」
「ははは、寝てしまったか。本当に可愛い子だ」
「これで、雪凪さんの願いはかなったんですか？」
「ええ、私はこの子に謝ることが出来た。そして、この子自身にも会えた。これほどまでしていただけるとは思ってもいませんでした。」
まるで、我が子を見るように彼はAの頭をなでる。
「安倍殿、芦屋殿。本当にありがとう。」
「良かったですね。」
「はい。そうだ。もう一つの依頼をしてもよろしいですか？」
その言葉に安倍が反応する。
「もう一つですか？まだなにか。」
「いえ、簡単なことなのです。この子は今まで友達がいなかったのです。私がいなくなってからはわかりませんが。見えることで人と距離を置いていたのです。ですから、この子と仲良くしていただけないか？」
安倍は少し嫌そうな顔をしたが、芦屋はぜんぜん問題なしのようだ。
そして、安倍も諦めたように
わかりました。
と答えた。
その言葉に雪凪は安心したように微笑み。
それはよかった。
と言った。
「さて、Aそろそろ起きてくれないかい？」
少し揺するとゆっくりと目を開ける。
「んぅ？え、ここ…あっそっか…」
思い出したかのように言う。
寝起きの彼女に、雪凪は真剣な顔つきでいう。
「A。私はこの世から隠世へと行かねばならぬ。ここ、現世にはもういることが出来ない。」
Aは少し目を見開き。その後また柔らかく微笑むと、雪凪へと返す。
「なんとなく、わかっていました。何かしら理由がなければ私を探そうなんて思わないはずですもんね。そうですか。行く前に私のところに来てくれてありがとう。」
その言葉に、雪凪は嬉しそうに笑った。
「じゃあ、そろそろ」
そう言うと、壁に小さな扉ができる。
雪凪はそこをくぐり外へと出る。
その後にAに行くように促す安倍。
そして、全員が出たところで。安倍が隠世の扉を呼び出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白湯(プロフ) - うちも///とか大嫌いなので、とても面白かったです！こういう小説大好物です！更新頑張ってくださいね！ (2016年9月1日 0時) (
レス) id: 1f4c6477ad (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - これからどうなるか楽しみです、更新頑張ってください。 (2016年8月30日 21時) (レス) id: cb3c3b9b5b (このIDを非表示/違反報告)
琶香奈 - 顔文字とか、←、///などを使われていなくて、とても読みやすいです。私も、会話文だけのは苦手です。なので、しっかりと文章を書いてくださっていて、嬉しいです。これからも頑張ってください。 (2016年8月30日 12時) (レス) id: a9a510b28f (このIDを非表示/違反報告)
フレッシュ - 雪染 雫さん文才ありますよ！雪染 雫さんの 小説大好きです！更新頑張って下さい！ (2016年8月24日 20時) (レス) id: 96f6939e4e (このIDを非表示/違反報告)
ツキ松☆ - 雪染 雫さん» 自分が勝手に話してるんですけど関係ない話ばかりしててごめんなさい（ノ_σ）不愉快だったら言ってくれていいんで... 他の作品のコメント欄でファンの人に怒られたんで (2016年8月17日 20時) (レス) id: 555f71e798 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪染 雫 x他1人 | 作成日時：2016年8月14日 17時
