雫 *shizuku* -Kazunari- 第２章【8/24おしらせ更新】 (ページ5)

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二宮さんと食事をしてから数日後のこと。

『そうですね、こちらのプランですとクロスなどのイメージカラーはこの中からお選び頂けます』

「あの…この前雑誌に載ってた雰囲気のが好きなんですけど…」

『雑誌…』

「ほら、嵐の相葉くんとニノが写ってた…」

『ああ、それでしたら…』

パンフレットのページを捲り、同じパターンをまとめたプランを提案する。

“これこれ！”とテンションの上がった新婦様は、お連れの新郎様の腕を嬉しそうに掴み、

ねだるように可愛らしい表情で見上げていた。

やっぱり反響大きいな…

もちろん、普段のウエディング特集でも“雑誌を見て”と声をかけて下さる方もいる。

でも今回、嵐のふたりに登場してもらってからの問い合わせの数は、

いつもの数倍にものぼるものだった。

改めて彼らの凄さを身に染みて感じる。

会社としては評判に貢献してもらってとても有難いのだけど、

あの日、ヴェールを上げて私に視線を投げてくれた二宮さんは、

私とは住む世界の違う遠い存在なんだと…

少しだけ苦しくなった胸から、思わずため息を吐いた。

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