雫 *shizuku* -Kazunari- 第２章【8/24おしらせ更新】 (ページ13)

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【side N】

レギュラー収録の楽屋は、番組によって座る位置が決まってる。

それぞれの行動もだいたい決まってて…

大野さんはスマホ弄ってて。

翔ちゃんは新聞読んでて。

相葉さんは俺があげたマンガ読んでて。

Jは今度のライブの案を練ってる。

え……俺？

そりゃもちろん、ゲームでしょ(笑)

両手にすっぽり収まった画面に集中し、バーチャルの世界にのめり込んでいたその時…

静かな楽屋のドアをノックする音が聞こえたと思ったら、

開いた隙間から俺のマネージャーが顔を出した。

「二宮さん」

「んー、何？」

「スケジュールのことなんですけど、今いいですか？」

「あいよー」

すると分厚い手帳を広げたまま俺の隣までやってきて

「明日なんですけど…

朝イチから群馬でロケの予定だったのが、どうしても先方の都合がつかなくなってしまって…

なので、取材を一件だけ午前中に入れましたので、

それが終わったらオフということで」

「…オフ…？」

「はい、でも半日は仕事ですよ？」

「分かってるよ。

午後からオフなんでしょ？」

「そういうことです」

マジか…

しばらく立て込んでたから久しぶりのオフ。

いつもなら家から一歩も出ずにゲーム三昧で過ごす、っていうのが俺の定番。

だけど…

「……、ぁー…」

時間、取れるかな…

頭の片隅にふっと浮かんだのは、

酔いが回って頬を赤く染めた彼女の照れ笑いだった。

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