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9月も終盤、長袖の服を当たり前に選ぶようになった木曜日。
久しぶりに斎藤くんの予約が入った。
海に行ってから2週間ほど経つけど、あれからバンドの方は順調なんだろうか。
「こんにちは。」
「こんにちは。この前はありがとうございました。」
「どう？バンドは順調？」
「んー、、まあ。」
何となく歯切れが悪いが、それ以上は聞かずにおいた。
「今日はどうしますか？」
「今回はパーマもお願いします。」
「はい。じゃあ、まずはシャンプーしましょう。」
「はーい。」
「こちらへどうぞ。」
「え？」
「足元気をつけて下さいね。」
「ちょっと待って、Aさんがやるの？」
「はい。」
「なんで？」
「なんでって、、、そういう日だから。」
今日は比較的ヒマな木曜日とあって、有休消化でアシスタントスタッフが二人休んでいるため、シャンプーも可能な限り自分で行うことになっていた。
まだ何かモゴモゴ言ってる斎藤くんをシャンプー台へと誘導し、首元にタオルを巻いて、ケープをかける。このあたりのことも、いつもはアシスタントがやってくれているのだけれど。
ケープの襟を留める時、首元に手が当たると、斎藤くんがピクリと肩を震わせた。
「ごめんね、冷たかった？」
「、、いえ。」
「、、、もしかして緊張してる？」
「や、、別に。」
「大丈夫だよー、私だってちゃんと洗えるから。」
「、、、そうじゃなきゃ困るから。」
「ですよね。じゃあ、倒しますよ。」
「お湯加減いかがですか？」
「大丈夫。」
いつもより若干無口な斎藤くんに声をかけ、
髪を濡らしながら目をやると、耳から首にかけて、全体的に赤い。
湯温が高すぎただろうか？
「斎藤くん、お湯熱い？」
「、、大丈夫。」
「ほんと？」
「ん。」
泡立てたシャンプーを髪に載せ、マッサージしながら洗って行く。
ほんとにキレイに丸い後頭部だなあ。
「いや〜、ついに丸い頭触り放題だね！」
「、、、それセクハラだと思うけど。」
「、、失礼しました。」
、、、元々は君が言ってたんだけどな。
何だかさっきから斎藤くんの反応がいつもと違うような気がして調子が狂う。
けど、確かに少し親しくなったとはいえ、お客様相手に馴れ馴れし過ぎたかもしれない。
気をつけなきゃ。
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星宵(プロフ) - そらさん» はじめまして。嬉しい！ありがとうございます。本質は変わらないと思うけど、今みたいに責任ある立場ではない分、学生時代のギタボ氏は、より無邪気で感情に素直だといいなぁと思いながら書いてます。これからもよろしくお願いいたします。 (2020年10月24日 11時) (
レス) id: 5d266fa98e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - はじめまして。無邪気でかわいくて、すごく癒されてます(^^)ひっそり更新楽しみにしてます…無理なさらず(^^) (2020年10月21日 21時) (レス) id: 70b1605356 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星宵 | 作成日時：2020年10月13日 12時
