2-1 ページ9
金曜21:00の新大阪駅
先週と同じく先頭車両を目指して歩く。
ビールフェアを来週に控え、最終調整の為に、
関西の出店者の元を巡った今回の出張。
予測どおり打ち合わせが押して、
すっかり帰りが遅くなったけど、
終電には何とか間に合った。
ホームからは、
ちょうど終電一本前の新幹線が発車するところだ。
、、、さすがにもう一度は無理だよね。
あれからずっと、
先週末の出来事が頭の片隅にあった。
正確には、あの夜出会った彼のことが。
できれば、もう一度会いたいと思っていた。
あの時のことは、
今思い出しても不思議だった。
自分があんな風に思いつきで
強引にビールを勧めるなんて。
いや、それ以前に、
見ず知らずの相手に
自分から声をかけるなんて。
「来週も大阪で仕事」
「帰りは終電になりそう」
その言葉だけを頼りに先頭車両を目指している
今の自分の行動だって、大概不思議だ。
ドキドキしながら、
ホーム先端付近の柱に目をやる。
、、、いた。
そこには、
先週と同じように全身黒づくめ、マスク姿で
携帯電話を操作する姿があった。
また会えたことに逸る気持ちを抑え、
早足で進む。
進みながら、ふと思った。
、、、なんて話しかけたら良いんだろう、、。
思えばたった一回、
座席が隣り合わせになって
少し話をしただけの相手だ。
そんな相手、しかも異性から、
「また会いたかったです」なんて
馴れ馴れしく声をかけられたら、、、
普通は、、引く、よね、、。
何も考えず、先週と同じ車両の切符を取ったけど、それだってどうなんだろう、、、？
ふいに生じた迷いが、歩みを遅くする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星宵(プロフ) - さばさん» はじめまして。嬉しい言葉をありがとうございます。決めていた所まで書くことができたので、ここからは少しゆっくりペースで、お付き合いが始まってからのあれこれを書きたいと思います。引き続きよろしくお願いします。 (2020年7月26日 7時) (
レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
さば(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしており、完結してしまうのは少し寂しいです、、、短編のお話楽しみにしてます！！ (2020年7月25日 18時) (レス) id: 640aa79d81 (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みもりさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。そろそろ終盤なので、このままの勢いで進めて行きたいと思います。 (2020年7月16日 9時) (レス) id: 9647d822be (このIDを非表示/違反報告)
みもり - 更新ありがとうございます！！！今回も面白かったです！！！ (2020年7月15日 21時) (レス) id: 1232f9590f (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みちさん» はじめまして。更新が滞り返信も遅くなってしまい、失礼しました。良かったらまた読んでやってください。 (2020年7月6日 23時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星宵 | 作成日時：2019年6月11日 22時
