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「、、、後出しジャンケンみたいでイヤなんだけど、
俺だって最初から思ってたよ。」
「はい？」
ようやく、緊張から解放されてコーヒーに口をつけた私に、
斎藤さんがポツリと言う。
「姿勢の良い子だなって。
新大阪駅のホームで、初めて見た時から思ってた。」
「ええ？！、、、ホントですか？」
「こんなこと、ウソなんかつかないよ。」
子供みたいに口を尖らせる姿が、なんだか可愛い。
「、、、ふふ。」
「、、何？何で笑うの？」
「だって。」
だって、私が彼を見つけたのとほぼ同じタイミングで、
彼も私を見つけてくれていたことが嬉しくて。
「、、、でも、何で今さらそんなこと言うんですか？」
「そんなの、修平さんだけがAちゃんの良いところに気づいてたみたいなのが、
悔しいからに決まってんじゃん。」
そう言うと、拗ねたように視線をずらす。
「、、、本気で言ってます？」
「、、、うん。、、、もう、あんま見ないで。」
照れたような様子もやっぱり可愛くて、
逸らした視線を追うように顔を覗き込んだら、
「ニヤニヤするの禁止。」
小さく言われ、短く盗むように唇が触れた。
突然のことに思わず固まった私を見て、斎藤さんは満足そうに片頬を上げると、
私の顔にかかった髪を撫でつけるように耳の後ろへとかけた。
そのまま髪を撫でながら頭の後ろへと回された優しい手にゆっくりと引き寄せられて、
私は目を閉じた。
時間にしたら、ほんの数分。
唇に感じていた温度が消え、背中に回った腕の力が緩んでも、
離れがたい気持ちのまま、斎藤さんの肩口に頬を寄せていた私に、
斎藤さんがそっと声をかけた。
「そろそろ、タクシー呼ぼうか？」
「、、、はい。」
「うん。、、じゃあ、ちょっと待ってね。」
顔を上げた私に少し微笑みかけると、スマホを手に取る。
「15分後に来てもらうように予約したから。」
「ありがとうございます。」
「うん。」
程なく、タクシーが到着を告げた。
下まで送るという斎藤さんの申し出を固辞して、玄関で靴を履く。
「明日も仕事なのに、すっかり遅くなっちゃってごめんね。気をつけて帰ってね。」
そう。明日も仕事だし、帰らなきゃ。
でも、まだ、、。
「、、、帰りたくない、、。」
「え？」
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星宵(プロフ) - さばさん» はじめまして。嬉しい言葉をありがとうございます。決めていた所まで書くことができたので、ここからは少しゆっくりペースで、お付き合いが始まってからのあれこれを書きたいと思います。引き続きよろしくお願いします。 (2020年7月26日 7時) (
レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
さば(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしており、完結してしまうのは少し寂しいです、、、短編のお話楽しみにしてます！！ (2020年7月25日 18時) (レス) id: 640aa79d81 (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みもりさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。そろそろ終盤なので、このままの勢いで進めて行きたいと思います。 (2020年7月16日 9時) (レス) id: 9647d822be (このIDを非表示/違反報告)
みもり - 更新ありがとうございます！！！今回も面白かったです！！！ (2020年7月15日 21時) (レス) id: 1232f9590f (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みちさん» はじめまして。更新が滞り返信も遅くなってしまい、失礼しました。良かったらまた読んでやってください。 (2020年7月6日 23時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星宵 | 作成日時：2019年6月11日 22時
