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―俺都合よく勘違いしてたかも。
Aちゃんて修平さんとお付き合いしてるの？―
斎藤さんは確かにそう言った。
「は？、、え？、、何でですか？」
言われたことの意味が理解できない。
、、、『都合の良い勘違い』って何？
「お付き合い、なんて、、
お付き合いなんて、してません。」
なぜそんなことを訊かれるのか解らないし、
追いつこうと必死で歩いたせいでまだ息が整わないが、ようやくそれだけを言う。
「そうなの？」
「はい。」
「そっか、、。ごめん、俺歩くの早かった？」
「、、少し、、」
「ごめん。」
ふう、と一つ息をついた斎藤さんは、
「もう少しで着くから」と告げると、
私の左手を取り、今度は速度を落として歩き出した。
え、何？なんで、、？
突然のことに、頭が追い付かない。
ビール会の帰り道、二人で駅までの道を歩いたことは何度もある。
でも、こんな風に手を引かれて歩くのは初めてで。
私には、この状態は『ビール仲間』を超えているように思えるし、
さっきからの色々のせいでキャパオーバーになりそうだけれど、
斎藤さんにとっては、大したことではないんだろうか。
お酒を飲んだ後だから？
少し酔ってるのかな？
こんな風に女の子と手を繋ぐことに深い意味はないの？
頭の中では、同じ事ばかりぐるぐる回り続ける。
感覚の全部が左手に集まっているような気がするのに、
繋いでいる斎藤さんの手が温かいのか冷たいのか、
硬いのか柔らかいのかすら、認識できない。
周りに溢れていたはずの音も、みんな消えてしまったみたいだ。
手を引かれて歩き続け、角をもう一つ曲がったところで、
前から若い男女のグループが歩いてくるのに気づいた。
こんな風に手をつないで歩いているところを誰かに見られたら、
斎藤さんに迷惑がかかってしまうかもしれない。
咄嗟にふりほどくように手を離してしまった。
斎藤さんは、そんな私をちらりと見ただけで、
それきり、手をつなごうとはせず、ゆっくりと歩き続けた。
程なく辿り着いた木製の小さなドアの前。
そこには『close』の札がぶら下がっていた。
目的のお店は休みのようだ。
少し離れた街灯の他に明かりはなく、周りに人もいない。
「、、、ごめん。こんなに歩かせたのに、休みだったみたい。」
「あ、、いえ。」
「、、、Aちゃん。」
「はい。」
少しの沈黙のあと、斎藤さんが切り出す。
「無理だったら全然断ってくれていいんだけど、、今からウチに来てもらえないかな。」
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星宵(プロフ) - さばさん» はじめまして。嬉しい言葉をありがとうございます。決めていた所まで書くことができたので、ここからは少しゆっくりペースで、お付き合いが始まってからのあれこれを書きたいと思います。引き続きよろしくお願いします。 (2020年7月26日 7時) (
レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
さば(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしており、完結してしまうのは少し寂しいです、、、短編のお話楽しみにしてます！！ (2020年7月25日 18時) (レス) id: 640aa79d81 (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みもりさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。そろそろ終盤なので、このままの勢いで進めて行きたいと思います。 (2020年7月16日 9時) (レス) id: 9647d822be (このIDを非表示/違反報告)
みもり - 更新ありがとうございます！！！今回も面白かったです！！！ (2020年7月15日 21時) (レス) id: 1232f9590f (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みちさん» はじめまして。更新が滞り返信も遅くなってしまい、失礼しました。良かったらまた読んでやってください。 (2020年7月6日 23時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星宵 | 作成日時：2019年6月11日 22時
