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「中を見ても良い？」
「もちろん。」
中身を取り出した斎藤さんが歓声を上げる。
「わ！これ、知ってる！『鮭の酒浸し』。新潟のでしょ？
こないだの出張って、新潟だったんだ？」
「はい。今度北陸のお酒と肴を紹介する企画をやるので。」
「俺の親の実家がね、新潟なの。」
「ええ？そうなんですか？」
「うん。だから、前に一回だけ食べたことあるよ。美味しいよね〜。嬉しいな。」
「ビールにも合いますよね。
止まらなくなっちゃうんで、食べ過ぎないようにちょっとだけお皿に出して、
残りは急いで冷蔵庫に戻してます。」
「あはは、何その可愛い工夫。ありがとう。早速明日いただくね。」
「、、、しっかし、お腹いっぱいだね。」
デザートの後、座椅子に凭れた斎藤さんがお腹のあたりをさすりながら言う。
私のお腹もはち切れそうだ。
「、、、しばらく動ける気がしません。」
「俺も。」
「でも、カニづくし最高でした。」
「喜んでもらえて良かった。いつもみたいなアラカルトも良いけど、たまにはお任せのコースも楽しいね。」
「はい！何が出てくるかわからないワクワク感も良かったです。」
「Aちゃんは本当に美味しそうに食べてくれるから、ご馳走し甲斐があるし、楽しいよ。」
それは、だって、本当に美味しかったから。
斎藤さんにお祝いして貰えて嬉しかったから。
好きな人と、こんな風に一緒に過ごせる時間が幸せだから、、、。
微笑みながらの斎藤さんの言葉に、気持ちが今にも溢れ出てきてしまいそうで。
抑えようとすると、言葉は途端に不自由になる。
「そんな、、だって、本当に美味しかったです。
、、、ありがとうございました。、、幸せです。」
「どういたしまして。」
「、、、それでね、次回の相談なんだけど。うちのバンド、今年で15周年なんだよね。」
「ええ？！凄い！おめでとうございます。」
「ありがとう。」
お祝いの言葉に応える斎藤さんは、少しだけ誇らしげに見えた。
就職して自分なりに一生懸命働いて、頑張ってきたつもりでも、私はまだ社会人5年目だ。
その3倍の15年もの間、バンドを続けることがどんなに大変なのか、想像もできないけれど、
きっと並大抵の努力ではないのだろうということだけは解る。
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星宵(プロフ) - さばさん» はじめまして。嬉しい言葉をありがとうございます。決めていた所まで書くことができたので、ここからは少しゆっくりペースで、お付き合いが始まってからのあれこれを書きたいと思います。引き続きよろしくお願いします。 (2020年7月26日 7時) (
レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
さば(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしており、完結してしまうのは少し寂しいです、、、短編のお話楽しみにしてます！！ (2020年7月25日 18時) (レス) id: 640aa79d81 (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みもりさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。そろそろ終盤なので、このままの勢いで進めて行きたいと思います。 (2020年7月16日 9時) (レス) id: 9647d822be (このIDを非表示/違反報告)
みもり - 更新ありがとうございます！！！今回も面白かったです！！！ (2020年7月15日 21時) (レス) id: 1232f9590f (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みちさん» はじめまして。更新が滞り返信も遅くなってしまい、失礼しました。良かったらまた読んでやってください。 (2020年7月6日 23時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星宵 | 作成日時：2019年6月11日 22時
