3-S ページ31
「俺らってさ〜、世間が休みの時は大抵仕事だよね。」
年末のライブに向けた打ち合わせの休憩時間、
我等がボーカル殿が、スマホをいじりながら、
誰にともなく言う。
「まあねえ、一応皆さんに楽しみを提供する側なワケだからね。、、どうした？宏介、そんなの今更じゃん。何かあった？」
田淵はパソコンを開いて何やら熱心に作業中。
必然的にオレが返事をすることになる。
「んー。今度鍋行こうよって言っててさ、
24日はどうかって聞かれたんだけど、俺大阪でライブじゃん？」
「ああ、うん。」
そうだった。
三連休最終日のクリスマスイブ、
彼は尊敬する先輩バンドのライブに、ゲストボーカルの一人として参加することになっている。
「その後も年末にかけてはイベントも、年越しライブもあるじゃん。
結局、年明けてだいぶ経ってからじゃないと無理でさ。
、、、できれば早めに行きたかったんだけどな。」
ああ、これは。
「もしかして例の人？」
「そうそう、ビール仲間ね。」
「ふうん、いつまでビール仲間なのかな？」
「え〜？
いつまでって、ずっとだよ。楽しいし。
そんなの無期限でしょ。」
当たり前のように言ってのけ、変なことを聞く奴だという顔を隠しもせずに首を傾げる。
いや、それはそうなんだけど、俺が聞いたのはそういう意味じゃないんだけどな、、。
モヤっとする俺の内心に気づくこともなく、ヤツは続ける。
「でさ、今回はちょっと豪勢にカニ鍋にしようかと思ってんだけど、貴雄、どこか良い店知らない？」
「ああ、それなら、、」
「斎藤くん、少し確認して欲しいことがあるんだけど、良い？」
「あ、はーい。じゃあ貴雄、よろしくね。」
「おう。」
ていうか、宏介、、。
24日の予定聞かれてる時点で、察してやれよ、、。
勘は良いし、細やかな気遣いもできる癖に、どこか抜けてるんだよな。
でも音楽が最優先で、来るもの拒まず、去る者追わずのあいつにしては、今回は珍しく熱心なように見えるんだけど、、。
せっかくだから、とっておきを教えてやるか。
個室が良いかな？
スタッフに呼ばれて去っていく後ろ姿にそんなことを思いながら、スマホに保存済みの美味しい店リストを呼び出した。
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星宵(プロフ) - さばさん» はじめまして。嬉しい言葉をありがとうございます。決めていた所まで書くことができたので、ここからは少しゆっくりペースで、お付き合いが始まってからのあれこれを書きたいと思います。引き続きよろしくお願いします。 (2020年7月26日 7時) (
レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
さば(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしており、完結してしまうのは少し寂しいです、、、短編のお話楽しみにしてます！！ (2020年7月25日 18時) (レス) id: 640aa79d81 (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みもりさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。そろそろ終盤なので、このままの勢いで進めて行きたいと思います。 (2020年7月16日 9時) (レス) id: 9647d822be (このIDを非表示/違反報告)
みもり - 更新ありがとうございます！！！今回も面白かったです！！！ (2020年7月15日 21時) (レス) id: 1232f9590f (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みちさん» はじめまして。更新が滞り返信も遅くなってしまい、失礼しました。良かったらまた読んでやってください。 (2020年7月6日 23時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星宵 | 作成日時：2019年6月11日 22時
