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「、、はい？」
突然の問いに驚いて目を見張る彼に
もう一度、今度はゆっくりと聞く。
「ビール、お好きですか？」
「ああ、はい！好きです！
ビール党です。」
質問の意味を理解した彼は、
はっきりと答えて、ちょっと胸を張った。
何だかかわいい。
「じゃあ、もし良かったらいかがですか？」
「え？」
「これ、取引先からお土産にいただいたんです。
たくさんあるので、良ければ何本か貰っていただけませんか？」
「ええっ？ そんな！ 悪いですよ。」
「さっきのお礼です。」
「お礼って、、何の？」
「おかげでストールを失くさずに済みましたから。」
「でも、そんなことくらいで、、。」
最初は軽い提案だったのに、
だんだんと私の好きなビールを飲んでみて欲しい気持ちが強くなってくる。
断ろうとする彼に更に畳み掛けた。
「これ、こだわりのクラフトビールで、
ほんとに美味しいんですよ。」
「でも、、」
「私や同僚も大好きなんです。
人気商品なんで、
東京ではあんまり手に入らないんです」
「ええ？、、そう聞いちゃうと、、。
めちゃくちゃ気になるな、、。」
彼は両手で頰を挟み、しばらく考えたあと
「、、、じゃあ、何だか申し訳ないですけど、
喜んで。」
と、遠慮がちに了承してくれた。
「良かった！じゃあちょっと待ってくださいね。」
自分の大好きなビールをお裾分けできることになり、嬉しくて、笑顔になってしまう。
「どうぞ。荷物になっちゃって申し訳ないですけど。」
小分け用に入れられていた紙袋に
新作と定番を一本ずつ入れて差し出す。
彼はほんの少し迷うような様子を見せた後、
そっとマスクを取ってテーブルに置くと、
白く長い指で丁寧に紙袋を受け取り、
押し戴くように少し上に掲げた。
全体の印象とは違う、意外にも男の人らしい手に気を取られていた私に、
「ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しい。」
そう言って笑顔を見せた。
うわ。
「い、いいえ。」
マスクを外し、遮るものの無い彼の笑顔が予想外に綺麗で、思わず声が上ずる。
これは、反則だ！！
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星宵(プロフ) - さばさん» はじめまして。嬉しい言葉をありがとうございます。決めていた所まで書くことができたので、ここからは少しゆっくりペースで、お付き合いが始まってからのあれこれを書きたいと思います。引き続きよろしくお願いします。 (2020年7月26日 7時) (
レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
さば(プロフ) - はじめまして！いつも更新楽しみにしており、完結してしまうのは少し寂しいです、、、短編のお話楽しみにしてます！！ (2020年7月25日 18時) (レス) id: 640aa79d81 (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みもりさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。そろそろ終盤なので、このままの勢いで進めて行きたいと思います。 (2020年7月16日 9時) (レス) id: 9647d822be (このIDを非表示/違反報告)
みもり - 更新ありがとうございます！！！今回も面白かったです！！！ (2020年7月15日 21時) (レス) id: 1232f9590f (このIDを非表示/違反報告)
星宵(プロフ) - みちさん» はじめまして。更新が滞り返信も遅くなってしまい、失礼しました。良かったらまた読んでやってください。 (2020年7月6日 23時) (レス) id: 5c7677ac35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星宵 | 作成日時：2019年6月11日 22時
